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nastyの意味と使い方|What a nasty pitch!の意味はスラングだった

あなたは英語の形容詞を何個くらい言えますか?nice,good,smartなどいろいろな単語が頭に浮かんできますよね。では、あまり良い意味ではない形容詞はどうでしょうか?意外とすぐ出てこない人もいるのでは。

今回は、ネガティブな意味を持つ形容詞、nastyという単語を紹介します。洋楽ではnastyという曲もありますし、海外のカジュアルブランドでnastyの文字を見たことがある人もいるかもしれません。

本当のnastyの意味を知らないと恥じをかいたり失礼にあたってしまう場合も…。この記事を通して、意味や使い分けを正しく理解しましょう。


nastyの意味

nastyの意味は大きく分けて5つあります。基本的には良くない状態を表す意味の形容詞ですが、スラングとして使う時は意味がまた変わってきます。後半の方で説明するので楽しみにしてくださいね。

①不快な、いやな、汚い
汚い部屋:a nasty room、むかつくような臭い:a nasty smell

②意地の悪い、悪意のある、卑劣な
悪意のこもった視線:a nasty look

③やっかいな、難しい、ひどい、深刻な
やっかいな殺人事件:a nasty murder case、頭部の重症:nasty head injuries

④(天気などが)険悪な、荒れ模様
荒れ模様の天気(雪の降る前の風が強く寒い天候を示す):nasty weather

⑤わいせつな
わい談(ひわいな話):a nasty story

このように、文脈や使う文章によっていろいろな表現にあてはめられます。最適な意味を選んで使えるようにしましょう。

nastyを使った表現を例文でみてみよう

では実際に例文を見ながら、nastyを使った表現を学んでいきましょう。

冷蔵庫は嫌なにおいがする。
There’s a nasty smell in the fridge.

このスープなんか不快なにおいがする。
This soup is nasty.

このような場面でnastyを使うと、わかりやすく相手に伝えられそうですね。

妹に意地悪しちゃいけないよ。
Don’t be nasty to your sister.

彼は私のサイトに悪口を書き続ける。
He keeps writing nasty stuff on my website.

意地悪を表す形容詞の単語にはmeanがあります。nastyは感情的な状態と物理的にも汚い状態に使えますが、meanは性格などの感情的な物だけに対して使えます。

それは厄介な打撲傷です。
That’s a nasty bruise.

年末はいやな嵐がくるみたいだ。
There’s going to be a nasty storm at the end of year.

彼女はいやらしい女の子だ。
She is a nasty girl.

この表現は、わいせつな意味を表すものなので使う時に注意が必要です。②の意味の意地悪と訳せる可能性もあるので、文の流れや一緒に使われる表現から正しい訳し方を選びましょう。

What a nasty pitch!大谷投手がサインボールに書いた文

現在、アメリカのロサンゼルス・エンゼルスで活躍している野球選手といえば、2刀流で活躍している大谷選手が有名ですよね。

最近彼が、ある試合で敵のピッチャーにあげたサインボールが話題になっています。(2022年9月6日 アリーグ エンゼルス対タイガース戦)

敵であるタイガースの選手が、前夜の試合で大谷選手から三振を奪った記念にボールにサインをお願いしました。そのサインボールに以下の文が書いてありました。

「What a nasty pitch!」

最初にnastyの意味は5つあると紹介しましたが、このサインボールの文における意味はどれに当てはまるでしょうか。えっ、nastyってあまり良い意味じゃなかったはず。世界の大谷がそんな言葉をボールにのこすとは考えられない!と思いますよね。

ここで使われるnastyはいわゆる、スラング用語。メジャーリーグでは誉め言葉にスラングを使う事が多いのです。スラングの意味がいまいちピンとこない方は以下に説明しています。

Slang(スラング)とは、親しい間柄の会話の中で使われるくだけた表現のこと。教科書には載っていない、若者が会話で使っている言葉とイメージするとわかりやすいでしょう。

例えば、友人の会話やチャットの中でも「めっちゃ」や「やばい」という言葉を使う人は多いですよね。今でいえば、日本語の「エモい」などもスラングです。

注意しなければならないのは、ビジネスの場面やなどではくだけすぎる表現なので使わない方が良いという所です。そして、英語圏であっても文化や習慣が違うので、国や時代によって使われているスラングは違ってきます。

nastyはスラングでいう、やばいくらい上手という意味です。先ほどの大谷選手のサインボールも同じ意味で訳すことができます。

なんて、やばい(くらい上手な)ピッチングなんだ!
What a nasty pitch!

大谷選手のnastyを使った褒め言葉に、ボールをもらった選手は大喜びしたそうですよ。

nastyは使う対象や文によって意味が変わる

野球以外も、とてもやばいくらい上手な演奏などにも使えます。

彼のドラムの演奏はやばい。(やばいくらい上手だ)
He is so nasty at the drums.

このように表現すると、彼のドラムの演奏は超絶技巧を使ったすごい様子が伝わってきますよね。ただ上手という意味よりも、演奏している臨場感とともにイメージができます。

そして気を付けなければいけないのが、わいせつ的な意味でも使われることです。これはスラング表現ではないのですが、いわゆるセクシャルな様子を表すときにもこのnastyが使われることがよくあります。

例文を通してたくさんの意味で使われるということがわかりますよね。いい意味ではないことが多いですが、物事の様子を表したいときには便利な単語だと思います。ただ、文の流れや会話の場面によっては間違って意訳すると大変なことになるので、よく考えて言葉を選びましょう。

nastyを使ったイディオム

次に、nastyを使ったイディオムを紹介します。

憎まれ口をたたく
turn nasty

人が真剣になっているときに、どうして憎まれ口をたたくんですか?
Why do you turn nasty when I’m being serious?

険悪な目を~に向ける
turn nasty eyes on(to/toward)

彼は険悪な目を先生に向けた。
He turned his nasty eyes on his teacher.

安かろう悪かろうの
cheap and nasty

その服は値段も安いけど品も悪い。
The clothes are cheap and nasty.

その他に、nastyの副詞や名詞も一緒に覚えておきましょう。
nastily:意地悪く、卑劣にを意味する副詞
nastiness:悪意、不快さを表す名詞

まとめ

今回はnastyの意味を学びました。あまり良い意味ではない時に使われるマイナス表現の単語ですが、スラングで使うとポジティブな意味の「やばい」という事が分かりましたね。

そして一緒に使われる文や場面によっては訳し方や使い方に注意が必要ということ。スラングとして使うのであれば、相手との関係性を理解した上で、間違ってもビジネスや堅い場面での表現では使わないようにして下さい。

しかしながらちゃんと意味を理解して使うと、形容詞を使った表現の幅が広がります。日常生活の中でnastyな事、物、人に遭遇したら、頭の中で英文を作ってみてください。アウトプットすることで単語を忘れることなく覚えていけますよ。