バスや図書館で見知らぬ人に言う「静かにしてください」、友達同士で言い合う「静かにして」、怒っているときなどについ言ってしまう「静かにしろ」。
誰かに静かにしてほしいことを伝えたいとき、日本語ではシーンや相手によって伝え方を変えますよね。では、英語ではどうでしょう。
中学生の時に誰もが習う代表的な表現といえば Be quiet。
静かにしてほしいときに使えるフレーズの1つです。しかし、Be quietは必ずしもすべてのシーンで使えるわけではありません。
英語も日本語と同様、シーン別で静かにの表現は異なります。
今回は英語で「静かに」と言いたいときの表現8選をシーン別に紹介します。
さらに、スラングについてもいくつか紹介するので、あらゆる表現をマスターし、シーンに応じて使い分けましょう。
Contents
丁寧に伝えたいときの「静かに」
会社や公共の場などで「静かに」と伝えたいとき、Be quietでは命令調で少し乱暴になりますよね。まず最初に、相手に失礼にならない丁寧な言い方を紹介していきます。
①Would / Could you be quiet?
丁寧に何かをお願いしたいときはWould you〜?Could you〜?を使って尋ねてみましょう。
WouldとCouldでは多少伝わるニュアンスが異なります。
Would you〜?:お願いしたことをしてくれる意思があるのかを尋ねる
Could you〜?:お願いしたことをすることが可能なのかを尋ねる
静かにしてもらえますか?
Would you be quiet?
Could you be quiet?
静かにしてほしいことを伝える場合は、どちらを使っても違和感はありません。Would you〜?の方がより丁寧な表現ですので、どちらを使ったら良いか迷った場合はWould you〜?を使うと良いでしょう。
②Would you mind keeping it down (a bit / a little)?
Would you mind ~ing?は、申し訳ないけどしてもらえますかのように、へりくだってお願いしたいときに使える丁寧な表現です。
文末にa bitやa littleをつけることでより控えめな印象になります。
少しだけ静かにしてもらえますか?
Would you mind keeping it down a little?
Would you mind keeping it down a bit?
keep it downは声や音のボリュームを落としてほしいときに使えますので、イディオムとして丸暗記してしまうと良いでしょう。その他、丁寧に伝えたいときのコツとして、会話の初めにExcuse meやI’m sorryをつけるという方法があります。
すみませんが、静かにしていただけますか?
Excuse me, would you be quiet?
I’m sorry, but would you mind keeping it down?
高圧的な印象がなく、すみませんが…というような申し訳なさが伝わるので、失礼なく静かにしてほしいことを伝えられますよ。
フランクに伝えたいときの「静かに」
友達同士や親から子供など、身近な関係の人に静かにしてほしいと伝えるときは、ややくだけた表現が使えます。以下4つの表現を覚えておきましょう。
③Be quiet(, please).
静かにしてという直接的かつ簡潔な表現ですね。命令的な意味合いではなく、軽くお願いしたいというニュアンスです。
文末にpleaseをつけることもあり、pleaseがあることによってやや丁寧な印象になります。だからといって、目上の人や知らない人には使えないので注意しましょう。
④Tone it down.
声が大きい!静かにして!と、お願いというよりも、注意したいときに使います。
仲の良い友達に使ったり、親が子供がうるさいときに注意したりするようなイメージです。Could you〜?を使うことで丁寧なお願いにもなるので、相手によって使い分けることができます。
⑤Zip your lips.
日本語でお口チャックというように、英語にも同じような表現があります。
しかし、日本語のお口チャックほど優しい印象はなく、友達同士の喧嘩や親が子供を叱るときなどのややきつめの表現です。友達や恋人と冗談交じりでも使える表現なので、文脈によって使い分けしょう。
⑥Shush! / Hush!
Be quietと同じく簡潔に静かにということを伝える表現で、しっ!と一喝したいときに使えます。
子供やペットを叱るときに使われることが多いです。ただし、大人同士で使うのは適切ではないので、あくまで子供やペットに対して使うということを意識してください。
きつめに伝えたいときの「静かに」
カッとなってしまったときについつい強めに注意してしまうことってありますよね。ここでは、きつめに「静かに!」と言うときの表現を2つ紹介します。
⑦Shut up!
黙れを意味するフレーズで、誰もが知っている表現なのではないでしょうか?
ついつい使ってしまいたくなりますが、Shut up!はかなり乱暴で汚い表現です。相手に相当失礼な印象を与えるので、もし使うなら冗談が通じる仲の良い友達同士にしましょう。ただ、なるべくならあまり使わないほうが良いですよ。
⑧Don’t say a word!
直訳すると、一言も喋るなという意味の表現です。もう喋るな、もう黙っていろというニュアンスで使えます。
相手の声のボリュームが大きいときというよりは、相手が喋りすぎてうるさいときに使うのが適切です。
「しー!」って英語でどうやって言うの?
子供やペットに対して、または友達同士でも静かにと伝えたいとき、日本語では人差し指を口の前に持っていき、しー!と言うことがありますよね?
実は英語でも静かにしてほしいことを伝えたいときにしー!が使えるんです。
英語でのスペルはShh!、ジェスチャーは日本語と同じように人差し指を口の前に持っていく動作をします。
日本語の「しー!」との違い
日本語のしー!と英語のShh!は同じように使えますが、発音に違いがあります。それぞれの発音記号は以下の通りです。
しー!:[ ɕ: ] Shh!:[ ʃ: ]
日本語のしー!([ ɕ: ])は口を横に開き、歯を閉じた状態で発音するのに対し、英語のShh!([ ʃ: ])は口を縦に開き、同じく歯を閉じた状態で発音します。
さらに、[ ʃ: ]を発音するためには唇を前に突き出すのがポイントです。しかし、実際に英語でShh!と言うときは、日本語のしー!の発音でも十分に伝わります。もちろん正しい発音ができることは大事ですが、あまり気にしすぎずに使ってみてくださいね。
「静かに」のスラング
すでに紹介した表現以外に、英語には静かにを伝えるスラングがあります。今回は、静かにしてほしいときのスラングを4つ紹介しますので、ぜひ覚えてみてくださいね。
back off
黙れ、引っ込んでろと言いたいときに命令形で使用します。
声が大きい人に対してというよりは、しつこくちょっかいを出してきた人に対して静かにしてほしいと伝えるときに使える表現です。また、イギリスよりもアメリカでよく使われます。
You should〜をつけると、きつすぎずやや柔らかい印象で伝えることができるので、状況に合わせた伝え方をしましょう。
cut it out
基本的に命令形で使用し、嫌なことをされたときにやめてよと伝えることができるスラングです。
うるさいから静かにしてというときにも使えます。カジュアルな表現なので、使う相手には注意が必要です。
put(stuff) a sock in it
直訳すると靴下を詰めるという表現ですが、口(it)に靴下を詰める=静かにするという意味で使われるスラングです。
命令系で使うと黙れ、静かにしろと伝えることができますが、Shut up!と同様かなり失礼な表現になります。使って大丈夫かなと心配な場合は別の表現を使うと良いでしょう。
pipe down
昔、航海中に船長が船員に笛(pipe)を使って合図を送っていたことが語源となっているスラングです。会話で使う際は、黙るや静かにするという意味になります。
命令形で使ったり、Will you〜?をつけて静かにしてと伝えたりと使い方は様々ですが、いずれにしても目上の人や知らない人へは失礼な表現になるので、友達や家族間で注意するときなどに使用しましょう。
まとめ
「静かに」の英語表現を紹介してきました。丁寧に伝えたいときはWould you be quiet?、フランクに伝えたいときはTone it down!など、シーンによって表現が異なります。
また、日本語のしー!のように英語でもShh!というのは、静かにしてほしいことを伝えられる表現の1つです。それぞれ発音の違いはありますが、慣れるまでは日本語のしー!でも伝わるので、あまり気にせずに使ってみましょう。
さらに、静かにしてほしいときに使えるスラングもあるので、シーン別の表現と一緒に覚えて使えるようになると良いですね。誰にどんなふうに伝えたいのかを意識して、適切な表現を使い分けていきましょう。