日本語に入ってきた英語は、物の名前から抽象的な概念まで身の回りにあふれていて、カタカナ語として定着していますね。特に抽象的な言葉のひとつが、「アイデンティティ」です。英語で使いこなすのが難しい単語でもあります。
この記事では、identityの意味と使い方を例文とともに詳しく解説していきますよ。意味をしっかり押さえた上で、正しい使い方を学んでいきましょう!
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identity(アイデンティティ)の意味は?
identityには大きく「特徴・個性」「身分証明・個人情報」「同一性・一致」の3つの意味があります。これらを文脈や状況に合わせて使い分けています。それぞれの意味と使い方を例文とともに見ていきましょう。
identity(アイデンティティ)の意味①特徴・個性
その人ならではの人格などを表します。例えば小学生にもわかりやすく言い換えるなら、「自分らしさ」という言葉がぴったりです。
自分のアイデンティティとは、自分は何者か、自身をどう定義するかを表す。
My identity is who I am and how I define myself.
学校を卒業してから、私は徐々に自分らしさの感覚を身につけてきた。
Since I finished school, I’ve slowly gained a sense of identity.
成長期に自我を確立することは、特に重要だ。
Developing your self identity is particularly important when you are growing up.
self identityは「自我」「自己同一性」などと訳されます。自分は何者で、社会ではどう認められるかという概念です。ハイフンを挟んでself-identityとつづることもありますよ。personal identityと言っても同様の意味です。
identity(アイデンティティ)の意味②身分証明・個人情報
identityは書類や手続き上の「自分らしさ」、つまり「身分証明」や「個人情報」も表します。
身元を確認しますので、暗証番号を入力してください。
To verify your identity, please enter your PIN.
verifyは「証明する、正しいと確認する」という意味です。PINはPersonal Identification Number(個人識別番号、暗証番号)の頭文字を取ったもので、「ピン」と発音します。
なお、identificationは「同定、身元確認、身分証明(書)」などの意味で、例えばID card(身分証明カード)はidentification cardの略語です。
あなたのパスポートは、あなたの身分証明書です。
Your passport is your proof of identity.
proof of identityは「身分証明書」のこと。3語をひとまとめに、頭に入れましょう。
警察は若い男性を逮捕したが、結局は人違いだった。
The police arrested a young man, but it was a case of mistaken identity.
mistaken identityとは「間違えられた身元」、つまり「人違い」を表す定番の表現です。
identity(アイデンティティ)の意味③同一性・一致
identityのもう1つの意味は、「同一性・一致」です。
彼女の言葉と行動の間には、同一性がある。
There is an identity between her words and her actions.
言うこととやることに矛盾がない、言行一致している、という意味ですね。
観客の多くが、そのミュージカルと一体になったと感じた。
Many in the audience had a sense of identity with the musical.
このidentityは、ミュージカルの登場人物や世界観などに強く共感し、まるでその舞台と一つになったかのような感覚を表しています。
なお、カタカナ表記ではアイデンティティとアイデンティティーの違いがありますが、英語らしい読み方は「アイデンティティ」です。「デン」を強くはっきり、語末はティと短く発音するのがコツです。
identity(アイデンティティ)の品詞と関連語
identityは名詞です。動詞の形では、identify(見分ける、同定する、身元を確認する)になります。スペルが似ているので注意しましょう。名詞はty、動詞はfyで終わります。
その指紋は容疑者のものと同一と確認された。
The fingerprints were identified as the suspect’s.
be identified as Aは「Aだと認定される」という意味の決まり文句です。形容詞はidentical(同一の)です。これはsame(同じ)に言い換えられます。
同じ状況下では、同じ失敗が起こり得る。
The same errors can occur under identical conditions.
私は同じシャツを5枚持っている。
I have five identical shirts in my wardrobe.
identity(アイデンティティ)のさまざまな使い方
形容詞とidentity、名詞とidentityの組み合わせにも着目しましょう。例えば、national identityは「国家としての特性」や、それに属する「国民意識、国民としての連帯感」を表します。
典型的な国民意識の観点で、「日本人である」とはどういう意味だろう。
In terms of typical national identity, what does it mean to “be Japanese”?
real identityは「本当の人格、正体」のことです。
オンラインの人格と、本当の人格はしばしば異なる傾向がある。
People often tend to have a different online identity from their real identity.
identity theftは文字通り「個人情報の盗用 (theft)」、つまり「なりすまし」のことです。
自分のアカウントが書いたことのない投稿をしたら、なりすましを疑おう。
Suspect identity theft if you see a post from your account that you didn’t write.
identity(アイデンティティ)の意味と使い方をわかりやすく例文解説!まとめ
ぱっと見は難しそうなidentity(アイデンティティ)ですが、SNSにも関係のある身近な単語だとわかりましたね。
ほかにも気になるカタカナ語があったら、ぜひ元の意味を調べてみましょう。きっと意外な発見がありますよ。