「儚い」を英語で伝える5つの表現

私たちが生活の中で「儚い」（はかない）という言葉を使うときはどんな時でしょう。
その場面によって、切ない気持ちや寂しい気持ちが伴ったり、時にはそのなかに美しさを感じたりしませんか。

色々な感情が交差する「儚い」という言葉。英語では、色々なシーンで使える日本語の「儚い」と直接イコールになるような1つの単語はありません。

シーンによってつかう英単語が変わります。ではどう表現するのでしょうか。5つの例をさっそく見ていきましょう。

Contents

1 時間の短さを表現する「儚い」
2 確実ではなく、当てにならないことを表現する「儚い」
- 2.1 ④empty：空っぽの、虚無な
- 2.2 ⑤fleeting：淡い、つかの間の
3 まとめ

時間の短さを表現する「儚い」

つかの間であっという間に過ぎ去ってしまうことを「儚い」と言います。人生の短さや命について述べるのは、最もよく「儚い」を使うシーンの1つですね。実際の使い方を見ていきましょう。

①short：短い

シンプルに「儚い」＝「短い」で伝えることができます。Life is shortというのを聞いたことがある方も多いでしょう。「儚い」を表す一番使いやすいパターンかもしれません。

例文：
My grandfather often says that life is short.
人生は儚いものだよ、とよく私の祖父は言います。

②ephemeral：つかの間の、短命の

花火が一瞬で儚く散ることを、日本語ではうたかた花火と言います。

うたかたとは水に浮かぶ泡のことですが、そこから連想できるような、消えてしまう切なさや一瞬だからこその美しさを伝えるニュアンスです。

例文：
In Japan, to express the momentary beauty of fireworks, there is an idiom “Ephemeral fireworks” from ancient times.
日本には昔から花火の一瞬の美しさを表現する、うたかた花火という言葉があります。

※ephemeralは、日常生活の中で使うにはやや固い印象です。論文などで使われる単語のイメージですね。ですが「儚さ」を言い表す時には知っていれば役立つでしょう。

③momentary：ほんの一瞬の、瞬間の

一つ上の例文内にも出てきたmomentary。花火以外にも、例えば毎年ほんの数週間で散ってしまう桜の花。

その一瞬だけの美しさを含む儚さを表すときはmomentaryが使えます。

またはmomentaryの部分を、もっと直接的にshort lived（短い命）に置き換えることも可能です。

例文：
Every year when I see cherry blossoms, I feel the beauty in them, because they are momentary.
私は毎年桜をみるたび、儚いからこそ美しいと感じます。

確実ではなく、当てにならないことを表現する「儚い」

叶いそうもない願いや望みについても「儚い」は使います。英語では、現実的ではないとか、むなしいというニュアンスの言葉が使われます。こちらも実際のシチュエーションを見ていきましょう。

④empty：空っぽの、虚無な

emptyは少し虚しさや悲しさを伴うような「儚さ」です。叶うはずもない夢や、叶わなかった夢などに使うことが多いです。

例文：
Once I started working, I thought I could travel abroad every year, but it was an empty dream.
社会人になれば毎年海外旅行に行けると思っていたが、それは儚い夢だった。

※ちなみに、最初に出てきた人生は儚いをemptyを使った別の表現で表すこともできます。

Life is but an empty dream.
人生は、儚い夢にすぎない。

⑤fleeting：淡い、つかの間の

fleetingは現実的ではない淡い期待や、つかの間の希望などに使いますが、時間が短いことによる儚さも表すことができます。

例文：
When I got feedback on the exam yesterday, I realized that receiving an offer from that university is a fleeting hope.
昨日テストの結果を見て、あの大学に受かるのは儚い希望だと気づいた。