「The Karate Kid(カラテキッド)」という映画をご存知でしょうか?
少年が日系人のミヤギ先生(Mr. Miyagi)に空手を習うというこの映画は、アメリカで1984年に制作されたもので、沖縄が舞台という設定になっています。しかし、実際のところは日本人よりもアメリカ人の中で人気になり、公開とともに大ヒットしました。
この映画をきっかけに、日本の文化に興味を持ち始めた外国人が増え、それとともに英語圏で通用する日本語も生まれました。今ではおなじみの「絵文字」は、辞書にも「Emoji」と記載され、「エモジ」とそのまま発音されています。
さて、一体英語の辞書にはどんな日本語が載っているのでしょうか?今回は、英語辞典にのっている日常会話によく使用される日本語を紹介します!え〜、こんな言葉まで?!面白い!という発見があるかもしれませんよ。
日本の文化に関する言葉
それではまず、英語辞書に載っている日本の文化に関する言葉を紹介します。
①dojo|道場
空手キッドの映画をきっかけに知られた言葉とも言えるでしょう。
辞書の意味:a place where people do karate, judo, and other martial arts (= fighting sports).
訳:空手・柔道などの格闘技を行う場所
②sensei|先生
こちらも空手キッドをきっかけによく知られる言葉になりました。
辞書の意味:a teacher of karate or other martial art (= a traditional Japanese or Chinese form of fighting or defending yourself).
訳:空手などの武道(=日本や中国の伝統的な格闘術や護身術)の先生。
私たち日本人にとって「先生」というと、幅広い意味で「教員、教師」を思い浮かべますが英語の辞書内では幅が狭い意味合いになっていますね。
③bonsai|盆栽
こちらも空手キッドをきっかけに知られる言葉になりました。
辞書の意味:a very small tree that is grown in a small container and is stopped from growing bigger by repeated cutting.
訳:小さな容器で育てられた非常に小さな木で、切断を繰り返すことによって大きくなるのを防いでいるもの。
庭園や菜園などが好きなアメリカ人の中で、庭を和風にして盆栽を育てている方もちらほらいます。
④samurai|侍
映画「ラストサムライ」は世界でも人気になりましたよね。
⑤kimono|着物
京都を歩いていると、着物を着た外国人観光客をよく見かけますよね。
辞書の意味:a long, loose piece of outer clothing with very wide sleeves, traditionally worn by the Japanese.
訳:日本人が伝統的に着ている袖の広い、ゆったりとした長いアウターウェアです。
⑥koi|コイ
鯉は日本や中国の文化において有名なシンボルです。日本の伝統的な刺青のモチーフとして人気があるのは、鯉の形です。英語辞書にのっている理由はおそらくタトゥーを入れる外国人が多いためと言われています。
⑦judo|柔道
柔道も、空手のブームをきっかけに知られる単語になりました。
⑧jujitsu|柔術
辞書の意味:a type of self-defence from Japan that does not involve weapons and is done as a sport. Other similar sports such as judo and karate are based on it.
訳:武器を使わず、スポーツとして行われる日本発の護身術の一種。柔道や空手などの他の類似のスポーツがベースになっている。
現在ではブラジリアン柔術に代表されるように、海外で格闘技としてアレンジされ、人気を博しています。
⑨sumo|相撲
相撲は日本の伝統的なスポーツで有名ですよね。日本人の相撲力士だけでなく、モンゴル出身の力士や高見山力士などの外国人力士もいることから、世界に通じる言葉となりましたね。
⑩anime|アニメ
日本のアニメの影響を受けて日本に留学するという外国人はとても多くいます。ジブリはもちろんのこと、「ルパン三世」、「るろうに剣心」、「デスノート」、「ジョジョの奇妙な冒険」など、少し昔のアニメや現在のものまで、日本のアニメは今や世界でとても人気です。
余談ですが、2022年にアメリカで一番ヒットしそうなアニメは現在「フルーツバスケット」と予想されています。
⑪manga|漫画
アニメが人気であればもちろん漫画も人気です。
辞書の意味:Japanese comic books that tell stories in pictures
訳:日本の絵漫画。
⑫origami|おりがみ
日本人であれば、折り紙は誰もが一度は必ず経験する日本の伝統的な遊び。アメリカでも認知度が増え、今では沢山の英語での折り紙サイトが紹介されています。
一部の幼稚園や小学校などでは、授業に取り入れているところもあります。しかし、器用さはやはり日本人の方が上でしょうか、キレイに線にそって紙を折るのに手こずる人も多く見かけます。
日本の食べ物に関する言葉
⑬sushi|寿司
アメリカにはたくさんの寿司屋があります。日本の寿司とは違って、カリフォルニアロールや巻き寿司の上にたくさんの種類のソースがかかっていたり、揚げ物が入っている寿司などがアメリカ人には人気です。
⑭wasabi|ワサビ
寿司が人気であれば、もちろんワサビもその一つ。
⑮tamari|たまり
soy sauceといえば醤油。寿司を食べる外国人がいるのであれば「soy sauce」はもちろん辞書にのっているほど認知度が高い言葉ですが、実はたまり醤油の「たまり」も辞書にのっているんです。
たまり醤油は小麦を使っていないグルテンフリーの醤油なので小麦アレルギーがある人には嬉しいですね。
⑯tofu|豆腐
健康を意識してベジタリアン志向の人が増えたことで、タンパク質を含む豆腐はアメリカでもとても人気のある食品の一つです。
⑰hibachi|火鉢
火鉢は暖房具の一種ですが、そこから鉄板焼きや炭火焼の認知度が広がり、今ではアメリカ州内に「hibachi Japanese restaurant(ヒバチ日本食レストラン)」というレストランをどこにでも見かけるようになりました。
多くのヒバチレストランは、目の前の鉄板で焼いてくれる鉄板焼きレストランが多い傾向にあります。
⑱miso|味噌
健康意識の強い人の中で人気なのが味噌。ファーマーズマーケットなどに行くと自家製の麹を使って作ったオーガニック味噌を売っているアメリカ人がちらほら。
⑲daikon|大根
アジア系のスーパーに行けばみかけますが、一般的なスーパーではあまり見かけません。なぜ辞書にのっているのかは不明ですが、知る人ぞ知る野菜なのでしょうか。
⑳mochi|餅
モチそのものを食べるアメリカ人はあまりいませんが、一口サイズのモチアイスクリームはデザートで人気の一つです。
㉑edamame|枝豆
アメリカで寿司屋に行くと必ず頼むのが、枝豆。タンパク質が多く、ダイエット中のアメリカ人はスナック感覚で食べています。
㉒sake|酒
日本酒が好きな外国人は意外と多いようです。日本語の「酒」はアルコール類全般を指しますが、ここでの「sake」は日本酒のことを指します。
その他の日本語
㉓shiatsu|指圧
「指圧」が英語辞書に?!と思う方も多いと思います。海外ではスウェーデンマッサージに並び、「指圧マッサージ」も人気です。
㉔futon|布団
アメリカでは「futon sofa」という、マットレスにもなるソファが人気です。
㉕tatami|畳
知る人ぞ知る、日本の畳。実際に海外には畳がある家はあまりありませんが、やはり日本の映画で浸透したのでしょうか。
㉖karaoke|カラオケ
外国人が発音するカラオケは「カリオケ」と聞こえます。アメリカには日本のようなカラオケボックスはなかなかありませんが、「How I met your mother」やアメリカの人気テレビドラマでたまに登場し、認知度の高い単語と言えます。
㉗sudoku|数独
数独の本を勉強している外国人でも、実は「sudoku」が日本語ということを知らないということもあります。
㉘tsunami|津波
「tsunami」と聞くと、異常に大きい波と解釈できる人もいますが、地震がない国では津波がなんなのかわからない人も多くいます。英語では通常「tidal wave」と言われています。
㉙typhoon|台風
海外でいうと、ハリケーンやサイクロンの仲間。
㉚zen|禅
「禅」といえば、瞑想を通して直観による悟りを目指す日本の大乗仏教の一派を指し、ヨガや瞑想を行う人々の中でよく発せられる言葉となりました。
㉛sayonara|さよなら
私たち日本人にとっては、あまり意識せず挨拶をしますが、英語辞典には「さよなら」はカジュアルな別れというより、「別れ」を指すと記載されています。カジュアルな挨拶だと「バイバイ」や「じゃあまたね」になるということですね。
まとめ
今回は英語辞書にのっている日本語を紹介しました。
こんな言葉までのっているの?という驚きの発見はありましたでしょうか。やはり見てわかるのが、日本食は世界で人気のゆえ、世界で通じる言葉になっていますよね。その他、やはり「空手キッド」のヒットを機に、空手や格闘系の言葉も通用するようになりました。
今度海外に行ってみるときや、在住することになったとき、自分の好きな食べ物や特技を英語で紹介してみるのもいいかもしれませんね。