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「本格的に」は英語で?副詞の用法やビジネスで使える表現も例文解説

例えば資格試験の勉強を始めたことを誰かに報告するとします。

その時に「資格勉強を始めたの」と言うのと、「資格勉強を本格的に始めたの」では、気持ちの熱量や伝わり方が違いますよね。

本当は、「本格的に始めたの」と英語で言いたい。「ものすごく本気だ」と伝えたいのに、表現のノウハウがわからない。そんなストレスを抱えたままだと、楽しいはずのおしゃべりも弾みません。

今回は、あなたの熱意を伝える重要なひとこと、「本格的」に焦点を合わせて、きっちりと英語で伝えるコツを探っていきます。


「本格的に」を表す基本の単語

英単語 意味
full-scale 全面的な、大規模な、完全な、本格的な
full-blown 完全に発達した、完全な、本格的な
full-fledged または fully-fledged 一人前の、資格のある、完成した
full swing 最高潮、フル回転

「本格的に開始する」とは、「全面的に開始する」こと。full-scaleを使いましょう。

このたび、お菓子作りと販売を本格的に開始することになりました。
At the moment I am starting a full-scale cooking and selling of sweets.

小さなきっかけが本格的な事態に発展したような場合にはfull-blownを使います。

最初のちょっとした仲たがいが、チーム内での本格的な対立に変わってしまった。
What started as a small disagreement turned into a full-blown conflict in our team.

キャリア面での独立は、「一人前になる」という意味のfull-fledgedを使うことができます。

本格的な建築家になる前、彼女は街の小さな不動産事務所で働いていた。
Before becoming a full-fledged architect, she worked in a small downtown estate office.

物事が最盛期に入るニュアンスは、full swingで表せます。

私たちのアートプロジェクトは6か月の準備期間の後、4月に本格的に始動する。
After six months of preparation, our art project will be in full swing in April.

in earnestも要チェック

in earnestには「本格的に、真剣に、本気で、完全に」という意味があります。

私はこの秋、書道を本格的に始める予定です。
This autumn I will begin Japanese calligraphy in earnest.

来月から、私の異動先での仕事が本格的に始まる。
Next month, my work at my new location will begin in earnest.

桜が散り、新学期が本格的に始まった。
As the cherry blossoms fall, a new school year has begun in earnest.

「begin」の意味と発音やアクセントのポイントなどを解説

副詞を生かして言ってみる

副詞1語で「本格的に」のニュアンスを伝えることもできます。例えば、fully(完全に)です。

わが社の新工場は、来月から本格的に稼働する予定です。
Our new plant will be fully operational next month.

operationalは「使用可能な、操業中で」という意味です。

fullyに限らず、もっとなじみのある副詞でも役立ちます。たとえば、「本格的に学ぶ」とは、「真剣に学ぶ」ということですね。seriously(真剣に)を使ってみましょう。

私は英語を本格的に学ぶため、仕事の後で語学スクールへ通っています。
To learn English seriously, I go to a language school after work.

または、「きちんと学ぶ」と解釈してもいいですね。その場合は、seriouslyをproperly(適切に)に言い換えます。

大学を卒業してから、外国語を本格的に勉強する機会がありませんでした。
Since I finished university, I haven’t had the chance to study a foreign language properly.

ほかにも、「本格的に取り組む」ならばwork hard(一生懸命に取り組む)で伝わります。

この春から、資格を取得するための勉強に本格的に取り組む予定です。
From this spring I will work hard to get some certificates.

いずれも、難しく考えずに発想を転換することがコツです。言いやすいフレーズを選んでみてくださいね。

「本格的な」を表す4つの形容詞

「本格的な~」のように、名詞を修飾する形容詞について解説します。

authentic、genuine、realは「まがい物ではない、本物の」というニュアンス。例えば、authentic Japanese cuisineなら「本物の和食、本格的な日本料理」という意味です。

このレストランは本格的な日本料理を出します。
This restaurant serves authentic Japanese cuisine.

その学生の希望は、英語圏の国で本格的英語を学ぶことです。
The student hopes to learn authentic English in an English-speaking country.

私は本物のダイヤモンドを見たことがない。
I have never seen a genuine diamond.

彼の作る歌は、まさに本物だ。聴く価値がある。
He creates real songs. They’re worth listening to.

orthodoxは「一般的に正しいと認められた、正統派の」を表す単語です。

彼の見解では、ain’tやwannaは本格的な英語ではない。
In his opinion, “ain’t” and “wanna” are not orthodox English words.

ain’tはam notやhave notなどの俗語。wannaはwant toのくだけた言い方です。

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ビジネスにも欠かせない「本格的に」

友人との会話だけでなくビジネスでも、「本格的に」「本格的な」はよく使う言葉です。

ビジネスシーンに着目し、報告や発表、打ち合わせといった大切な場面で活躍するフレーズをチェックしましょう。

ある提案を「本格的に検討する」段階に入ったら、seriously consider ~と伝えましょう。

先日ご提案いただいた件ですが、弊社で本格的に検討したいと思います。
We would like to seriously consider the proposal you made recently.

大々的に始まるプロジェクトは、fully launch ~(~を本格的に開始する)で説明できます。

弊社は、複数のSNSを使った販促戦略を本格導入しました。
We have fully launched a promotional strategy using various social networking systems.

問題を抜本的に解決することを「本格対応」と呼びますが、これも英語では発想転換が大切です。fully resolve ~(~を完全に解決する)と言えば簡単ですね。

問題が発生した場合、原因を分析し、本格対応の上、再発防止に努めています。
If there is a problem, we analyze the cause, fully resolve it and prevent further problems.

「再発防止」という難しそうな用語も、prevent further problems(さらなる問題を防ぐ)と言えばオーケーです。

まとめ

いかがでしたか。「英語で言いにくそうだなあ」と感じがちな「本格的」ですが、実際のところは、それほど難しいフレーズは必要ないとわかりましたね。

今回覚えた単語や表現で、気に入ったものをぜひ、頭に入れておきましょう。

ぱっと言えるようになるまで、何度か声に出して読み、練習してみてくださいね。