よく見るけれど、ぱっと意味が思い浮かばない。そんな単語は多いものです。たとえば、adoptもその一つ。よく似たadaptという別単語の意味と混同してしまいがちです。
今回のテーマはadoptです。意味や使い方、そして語源の違いまで、この機会に整理して頭に入れましょう。
Contents
adoptの意味と使い方
adoptとは、大きく2つの意味を持つ動詞です。「採用する、採択する、適用する、選ぶ」と「養子にする」という意味があります。
名詞はadoptionという形です。adoptionとは「採用、採択」や「養子縁組」を表します。これら2つをコアの意味とし、文脈や状況に応じて、さまざまな日本語に訳すことができます。
発音のポイントはdoの音です。adoptは「アドプト」、adoptionは「アドプション」のように、いずれも「ド」を強く言うのが読み方のコツです。では、例文を参照しつつ具体的な使い方を学びましょう。
adoptの意味①選ぶ
adoptの1つ目の意味は、「議案を採択する」「人を就任させる」「考え方や方針を適用する」といったシチュエーションで使われます。いずれも「選ぶ」という概念でまとめられますね。
委員たちは提示された対策を採用した。
The committee members adopted the proposed measures.
次の議長にはジョンソン氏が任命された。
Mr. Johnson was adopted as the next chair.
「国籍を取得する」「態度を身につける」という意味でも使われます。
彼女のおばは、フランス国籍を取得した。
Her aunt adopted French nationality.
彼は成長するうち、丁寧な話し方を身につけた。
He adopted a polite way of speaking as he grew up.
adoptの意味②養子にする
adoptの2つ目の意味は、子どもなどを「養子にする」です。
彼らは2人の子どもを養子にした。
They adopted two children.
ビリーは彼らの養子だった。
Billie was their adopted child.
スラングのadopt
「養子にする」が転じて、スラングとして使われるようにもなりました。
子どもたちが相手をからかったり、いじめたりするときに、You are adopted.(君は養子だ)と言うことがあります。相手が本当に養子かどうかとは関係なく、グループの外の人だ、仲間はずれだ、という意味です。からかうときにはこんなふうに使います。
そんな変な服を着れるの、あなただけじゃない?やっぱり養子ね。
How can you wear such funny clothes? Clearly, you’re adopted.
次のように皮肉を利かせた表現にもなります。
あなたは養子。だからそんなに甘やかされるんだ。
You are adopted. That’s why you’re so spoiled.
ただ、いずれも言い方次第で相手を傷つける可能性がありますので、注意してください。
adopt meはどんな意味?
もう1つのスラングは、adopt me(私を養子にして)です。本当に養子縁組を希望するわけではなく、冗談として言われます。
たとえば、おいしい手料理を振る舞われ、「養子になって毎日食べたい」と冗談を言うならこんな感じです。
あなたがこんなに料理上手だとは。私を養子にしてくれない?
I didn’t know you were such a good cook. Won’t you adopt me?
豪華な家に招かれ、「養子にしてもらえれば、私もここに住めるのに」と言うなら次のようになります。
素敵なおうちだね!私を養子にしてほしい。
What a beautiful house! Please adopt me.
adoptとadapt|違いと覚え方
adoptとよく似たつづりの単語が、adaptです。たった1字の違いでも、意味はまったく異なります。
adaptは他動詞でも自動詞でも使われます。他動詞は「~に適合させる、~に合うよう変える」、自動詞は「適応する、順応する」という意味です。
daを強く長めに発音しましょう。アメリカ式発音で「アデァープト」、イギリス式発音で「アダープト」に近い読み方になります。
adaptの使い方
adapt A for Bで「AをBに合うよう変える」という意味です。
脚本家はその小説をハリウッド向けに作り変えた。
The screenwriter has adapted the novel for Hollywood.
adapt A to Bなら、「AをBに順応させる」という意味になります。
食品の急な値上げに、自分の生活を合わせなければならない。
I have to adapt my life to the sudden rise in food prices.
受け身のbe adapted to Bは、「Bに適している」を表します。toの代わりにforを使うこともありますよ。
人間の体は砂漠の気候には適応していない。
The human body is not adapted to a desert climate.
adoptとadaptの語源に絡めた覚え方
区別が難しいadoptとadaptですが、語源をヒントにすると覚えやすいですよ。
adoptは、「~に向かって」を表すadと、「選ぶ」を表すoptから成っています。optはoption(選択肢)にも関連する語源です。この「選ぶ」をヒントにすれば、「採用する」「養子にする」という意味につながりやすいですね。
一方、adaptは、「~に向かって」を表すadと、「適している」を表すaptから成っています。ちなみに、aptはaptitude(適性)の語源でもあります。ここから、adaptのコアの意味である「適応する」を導き出しましょう。
全部を覚えられなくても大丈夫。どちらか1語を確実に覚えれば、混同せずにすみますね。
adoptの意味とadaptとの違いを例文で解説!語源を知れば覚え方も簡単まとめ
いかがでしたか。具体的にどう使われるのか、例文も一緒に学ぶのが単語力アップに有効です。
英英辞書も積極的に活用しましょう。「adopt meaning」のように、知りたい単語プラスmeaningで検索すれば、実際にどんな場面でどう使われているのかがすぐわかります。ぜひ、やってみてくださいね。