小さいときにどんな遊びをしたか、覚えていますか。
たとえば鬼ごっこ。時代を問わず、子どもたちの定番の遊びですよね。
昨今は、遊びの輪に英語圏のお子さんが加わることもあり得ます。
今回紹介するのは、鬼ごっこがテーマの英語です。いつもの遊びに取り入れれば、ちびっこたちにとって新鮮な体験になるはず。大人も子どもも知っておきたいフレーズを紹介します。
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「鬼ごっこする」は英語で?
鬼ごっこは、追いかけっこの1種。追いかけっこは、chasing(追うこと)、chasing each other(互いに追いかけること)などと表します。
鬼ごっこは英語でtagといいます。tagはもともと「札(ふだ)」のことで、動詞では「捕まえて札をつける、人にタッチする」という意味もあります。ここから、「追いかけてタッチすること」、つまり鬼ごっこを表すようになったのです。
日本語の「タグ」もなじみのある言葉ですが、英語では読み方に注意してください。平坦なカタカナ発音ではなく、aを強く、はっきりと言ってくださいね。
さて、「鬼ごっこする」はplay tagという決まったフレーズで表します。文意に合わせてplayの形を変えましょう。「鬼ごっこをした」なら過去形なので、played tagとなります。
いくつか例文を見てみましょう。
ユミは学校の帰り道、クラスメートと鬼ごっこをした。
Yumi played tag with her classmates on the way home from school.
5歳の姪は鬼ごっこが好きで、よく友達を追いかけまわしています。
My five-year-old niece loves playing tag and often runs after her friends.
なお、鬼ごっこはgame of tagと表すこともあります。
鬼ごっこでは、1人の子がほかの子たちを追いかけて捕まえる。
In a game of tag, one of the children chases the others to catch them.
英語ならではの鬼ごっこフレーズ
イギリスやアメリカの子どもたちも鬼ごっこを楽しみます。遊びのルールは日本とほぼ変わりません。でも、play tagに「鬼」に当たる言葉がないように、英語と日本語では遊びの用語に違いがあります。
意外!鬼の呼び方
鬼というからにはdemonかな、と直訳して考えがちですが、これは間違い。では、何と呼ばれるのでしょう。
実は、鬼役はit(それ)と呼ばれます。したがって、遊ぶときには次のような会話が交わされるはず。
鬼ごっこをしようよ!
Let’s play tag!
いいよ。誰がはじめに鬼になる?
Sure. Who’s going to be the first it?
なお、逃げる人のことをrunnerといいます。走って逃げるからrunnerだと覚えておきましょう。
これらの用語を踏まえて、あらためて鬼ごっこを英語で説明してみます。
鬼ごっこでは、1人の子が鬼になり、逃げる人を追いかけます。タッチされたら次の鬼になります。
In a game of tag, one of the children plays it and chases the runners. If you are tagged, you become the next it.
you are taggedのbe taggedは、「タッチされる」という受け身の表現です。
「捕まえた!」にも決まり文句がある
タッチしたときの鬼の一声は、「捕まえた!」ですね。英語にも同様のフレーズがあります。短く簡単な、Tag!(タッチした!)というひとことです。
たとえば、あなたが鬼役でビリーという子を捕まえたなら、次のように言ってみましょう。
捕まえた!今度はビリーが鬼だよ!
Tag! Now Billy is it!
氷鬼ごっこやかくれんぼ|遊びの英語表現
鬼ごっこのルールは1つだけではなく、いろいろなvariant(変化形)があります。中でも、「氷鬼ごっこ」はよく知られています。また、鬼ごっこと同じくらい人気のある、かくれんぼについても紹介していきましょう。
氷鬼ごっこ
氷鬼ごっこでは、鬼にタッチされた人が凍ったように動作を止めるのが決まりです。ルールによっては、このとき両腕と両足を伸ばした姿勢で固まることも。
いったん凍ったら、ほかの誰かがタッチして解凍してくれるまで、動いてはいけません。(両足の間をくぐってもらうなど、ルールには種々あります。)
この氷鬼ごっこ、英語ではfreeze tagと呼ばれます。stuck in the mudと呼ばれることもありますよ。freezeは「凍ったように動きを止める」、stuck in the mudは「泥にはまって動けない」という意味ですから、ぴたっと固まる様子が伝わりますね。
このようなルールは、次のように説明してみましょう。
氷鬼ごっこでは、逃げる人に鬼がタッチして「動くな!」と言います。
In a freeze tag, it tags a runner and says “Freeze!”.
つかまった人は、誰かがタッチして解凍してくれるまで、じっとしないといけません。
The tagged runner must stand still until someone touches the child to unfreeze them.
stand stillは「じっとする」、unfreezeは「解凍する」という意味です。
しっぽとり
「しっぽとり」(tail tag)も鬼ごっこの1種です。全員がズボンやスカートの腰に、ひらひらしたリボン状の布を挟んでからスタートします。この布が、しっぽ(tail)のように見えるのです。
特徴は、全員が鬼であること。互いにしっぽを引っ張り奪うのです。いちばん多くを手にした人が、勝ちとなります。
しっぽとりでは、みんなが追いかけ合って、腰に結んだ布を取ります。最も多くの布を取った人が勝ちです。
In tail tag, everyone chases each other to grab a piece of cloth tied to their waist. The winner is the one who collects the most pieces.
ここまでは子ども向けの鬼ごっこを紹介しました。近年では大人向けにレベルアップした競技版の鬼ごっこ、Chase Tagが注目を集めています。
イギリスのクリスチャンとダミアン兄弟が発案したこの競技は、World Chase Tagという世界大会が開催されるほどの人気。障害物の間を走るアスリートたちの、華麗な身のこなしには驚きます。興味があればオフィシャルサイトをチェックしてみてくださいね。
かくれんぼ
かくれんぼは英語でhide-and-seekです。hideは「隠れる」、seekは「探す」という意味。「かくれんぼをする」はplay hide-and-seekと表します。
かくれんぼの鬼もitと呼ばれます。日本の場合、鬼とひとしきり、「もういいかい」「まだだよ」と言葉を交わしますね。「もういいよ」の合図が出てから、鬼は探し始めます。
一方で、英語圏のhide-and-seekでは、このようなやりとりがありません。
みんなが隠れる間、鬼は目を閉じ10秒ほど数えますが、数え終わったらすぐに探し始めます。その際の決まり文句は、Ready or not, here I come!(準備が良くても悪くても、さあ探すよ!)というもの。
日本でのかくれんぼについては、こういった違いを説明できるといいですね。
日本でかくれんぼをするとき、子どもたちは秘密の場所に隠れます。それから鬼が「もういいかい」と尋ねます。
In hide-and-seek in Japan, children hide in secret places. Then it asks, “Are you ready?”
隠れた人は「まだだよ」、または「もういいよ」と答えることができます。
The hiders can answer “Not yet” or “I’m ready”.
まとめ
いかがでしたか。鬼ごっこも、かくれんぼも、どの国の子でも参加できる簡単な遊びです。
特別な道具も準備も必要ありませんし、ちょっとした国際親善のイベントとして取り組みやすいはず。
次に鬼ごっこをするときには、今回覚えた英語をぜひ使ってみてください。遊びの中で、英語の発音やリズムも自然に耳になじんでいきますよ。