「悪くないよ。良いよ。」
「悪くないよ。むしろ良いよ。」
この二つの文の微妙なニュアンスの違い、日本語だったらわかりますよね。この違いを英語でも言い表せたら表現の幅がグッと広がるはず。この場合やはり「むしろ」の言い方がポイントになってきます。
日常生活の中でもよく聞く表現ですが、咄嗟に英語で表現できる人は決して多くはないでしょう。
今回は「むしろ〜」という意味で使用される英語の表現を紹介します。わかりやすいように例文も一緒に取り上げるので、微妙なニュアンスを使いこなせるようになりましょう!
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「むしろ〜」を意味するフレーズ
「むしろ〜」は二者択一の際に使用する言葉で、接続詞的にも用いられる副詞です。そんな「むしろ〜」を英語で表現する際は、一般的にrather を使用します。rather をどのように使うのか、いくつか例を紹介しましょう。
rather
「むしろ」「どちらかといえば」「かえって」などを意味するワードです。
ratherを使用する場合はbe動詞なら後、一般動詞なら前に置きます。
悪くない、むしろ良いよ。
It’s not bad, rather good.
むしろありがとう。
I rather thank you.
or rather
orと一緒に使用すると「というかむしろ」「もっと正確にいえば」という意味になります。こちらは文頭、または文中で用いるのが一般的です。
私は昨夜遅く、というよりむしろ今朝早く帰ってきた。
I returned late last night, or rather early this morning.
いや、むしろ君と英語の勉強をしたかった。
Or rather, I wanted to study English with you.
would rather
would ratherの形で「むしろ〜したい」という意味のフレーズになります。
実のところ、むしろ家で食事がしたいんです。
To tell the truth, I would rather have a nice quiet dinner at home.
would rather 〜 than
would ratherと同じく「むしろ〜したい」という意味で、より比較対象を明確にしたいときの表現です。
こんなに働かなければいけないのなら、むしろ仕事を辞めたいです。
I would rather quit a job than work so hard.
「むしろ〜」に関連するフレーズ
ここまで ratherを使用した「むしろ〜」を意味する表現を中心に取り上げてきましたが、もちろん rather以外を使用した表現もあります。
例文と一緒に紹介するため、そちらもまとめて覚えてしまいましょう。
not so much A as B
not so much A as B は「AというよりむしろBです」という意味のフレーズです。
彼女の成功は才能というより、むしろ馬力によるものです。
She has succeeded not so much by talent as by energy.
actually
こちらは「むしろ」という意味の中でも、想定に反した事実を伝える際に使用されるフレーズです。
彼らは彼女が無実だと考えているが、私はむしろ彼女が真犯人ではないかと考えている。
They think she is innocent, but actually I think she is the real criminal.
instead
「それよりもむしろ」という意味で、代替案を提示する際に使用されるケースが多いです。
彼女に会ってはいけない。いや、むしろ避けるべきだ。
You never see her. Instead, you should avoid her.
more like A than B
こちらは「Bではなく、むしろAです」という意味のフレーズです。
彼女は天才というより、むしろ努力家だ。
She is more like a hard worker than a genius.
on the contrary
「それどころかむしろ〜」という意味の表現で、A on the contrary B の形で使用します。
会話ではなく文章で見かけることが多く、Aの内容とは反対の意見Bを強調して述べる場合や、Aではなく on the contrary の後に述べているBの方が正しい、と表現したい場合に使われます。
私は疲れていません。それどころかむしろやりたくてうずうずしています。
I’m not tired at all. On the contrary, I’m raring to go.
まとめ
「むしろ〜」を意味するワード、およびフレーズについて取り上げてきました。
同じ意味のワードやフレーズでも、ニュアンスや使う場面は異なっています。そのため、使い分けができるようになれば表現の幅が広がり、相手により細かい心情を伝えられるようになるでしょう。
もちろんフレーズの数が多いため、使い分けを学ぶのは簡単ではありません。
しかし、実践の場、つまり会話の中で使用し、トライアンドエラーを繰り返せば自然と使い方が身に付くはずです。間違いを恐れず、ぜひ積極的に新しいワードやフレーズを学んでくださいね!