字幕なしで洋画を理解する方法を知りたい!というのはとても立派な目標です。まずは映画を英語で観ようとする姿勢がとても大事。
テレビは多くの人にとってリラックスするためのものですが、好きなことをしながら、同時に英語も上達するなんて一石二鳥ですよね。
今回、この記事では字幕なしで理解できるレベルの解説と、そのレベルに達するための5つのステップを紹介します。
ワンステップ進んで、洋画を字幕なしで観れるようになりましょう!
Contents
英語力があっても字幕なしは困難
TOEICやTOEFLで高得点をとれる人でも、実は洋画や海外ドラマを字幕なしで理解するのは相当難易度が高いと言われています。そもそも洋画や海外ドラマを理解するには、どの程度理解できれば良いのでしょう。
だいたいの話の内容がわかる。
所々の会話は聞き取れる。
最初から最後までなんとなく理解できる。
しかし、ジョークやスラングなどがいまいちわからない。
話の内容が8割ほどわかれば理解したと言えるかもしれません。ですが、役者の話すスピードが速すぎたり、ひそひそと小声で話されたりしては聞き取りの難易度はぐんと上がってしまいますよね。ましてや、方言やアクセントがある場合はなおのこと。
さらには、医療や歴史、法系の専門用語がたくさんある題材はハードルが高くお手上げ。英語圏に数年住んでいたとしても、字幕なしで理解するのは困難です。
字幕なしで理解できるレベルとは
では、洋画やドラマを字幕なしで理解できるレベルとはどれくらいなのでしょう?一般的には、
さまざまな英語を聞き取るリスニング力
子供向けの内容ならTOEIC700点程度の単語力
大人向けの内容ならTOEIC850点程度の単語力
スラングや流行の言い回しに対する知識
推測力や要約力
などを持ち合わせていることが必要と言われています。ですが、これらのレベルを持っていても、最初に述べたように題材やシーン、役者の話し方や訛りなどによって非常に聞きづらく、理解できないことも。
そのため、リスニング力を高めるには教材用のキレイな英語を聞くのではなく、様々な人が話す生の英語を理解する力が必要になってきます。
作品によってはスラングや様々な流行語を含むものがあるので、これらの表現の知識も必要です。また、聞き取り中にわからない語彙があったとしても、会話の前後の流れから意味や内容を推測し、要約しながら理解しようとする力も求められます。
リスニング力を磨きたい英語学習の初心者は、まずは基本的にセリフが簡単で短い子供向けの内容からスタートするのがおススメですよ。
英語力₌リスニング力ではない
最初にも述べたように、語彙力や読解力など、英語力が総合的に高い人でも洋画やドラマを観ていて、聞いたことが理解できない、というケースは多々あります。
これは、字幕や文字を読めば内容がわかるのに、聞いただけでは言葉の意味が理解できないということ。では、このリスニング力をあげるには一体どうすればいいのでしょう?
リスニング練習の研究
この問題に対処するための効果的な方法として、多くの研究結果があります。
その一つとして、簡単なトレーニングから難しいトレーニングへと、リスニングの練習を移行していくこと。
この研究で、参加者はリスニングに関連するタスクを行う訓練を受けました。
そこには、①簡単(easy)、②普通(noraml)、③難しい(diffiicult)という3段階の難易度が設定されます。
参加者は2つのグループに分けられ、最初のグループは、その難易度の高いバージョンだけを行い、2番目のグループは、まず簡単なバージョンと普通のバージョンから始めてから難易度の高い課題を行います。
研究者たちは、どちらのグループが難しいバージョンをよりうまくこなせるか、ということを調査しました。では、結果はどうだったのでしょう?
研究の結果
難易度の高いバージョンでのトレーニングが少なかったにもかかわらず、2番目のグループの方が成績が良かったのです。
つまりこの結果は、何か難しいことがあったら、それをやり続けるよりも、簡単なことから始める方が効果的であることを示唆しています。
字幕なしで映画を理解するための5つのステップ
では、この知識をリスニングの上達にどう生かせばいいのでしょう。これから字幕なしで理解するための5つのステップを伝授します。
ステップ①自分にふさわしいシリーズを選ぶ
究極の目的は、楽しむこと。
映画やテレビシリーズを見ることは、最も楽しいことの一つですよね。興味があって好きだと思う作品を選び、まずはその1本に集中しましょう。
テレビ番組1本
ワンシーズン
1話ずつ
人の声に慣れるには時間がかかるため、毎週同じキャラクターを見ることができるテレビシリーズを選ぶ方が、映画よりもおすすめ。
また、テレビシリーズを選ぶときのコツは、登場人物が多すぎないもの、あるいは登場人物が毎話殺されることがないものを選ぶことです。
例えば『ウォーキング・デッド』や『ジ・アメリカンズ』は、新しいキャラクターがたくさん出てきては、その直後に殺されてしまうので、役者の声に慣れる暇がないですよね。
映画好きなら、同じ監督の作品や同じ俳優が出演している作品を探すといいでしょう。ウェス・アンダーソン監督の作品には、たいてい同じ俳優が出演しています。
ステップ②速度を遅くする
自分が観る作品が決まったら次のステップ!まず最初は簡単な聞き取りから。再生速度を変更できるアプリを使って、スロー再生やスピードアップができるようにします。聞き取りしにくいときは再生速度をスローにして、はっきり聞き取れるようになるまで繰り返し練習しましょう。
ステップ③ゆっくり始める
再生スピードを遅くすることで、聞き取りにより多くの時間を使えるようになり、発音がはっきりしない単語の聞き分けや、新しい単語、フレーズの意味を推測する時間もできます。
ここでの考え方は、初めのうちはとにかく簡単にすることです。
ゆっくりした速度で聞く。スピーカーに耳を傾ける。映画ではなく、ポッドキャストやインタビューのような簡単なものを聴く。小さなことから始めていきます。
ステップ④遅いスピードから速いスピードにする
次に、リスニングスキルが向上してきたら、徐々に難易度を上げていきます。
例えば、ゆっくり話す人の話を聞いて理解できるようになったら、次は通常のスピードで聞くのではなく、スピードを上げてみましょう。スピードを上げると、まだ内容を理解することができず、不快に感じるかもしれません。
ですが、こうすることで、よりリスニングに慣れることができます。
ここでのアイデアは、自分を追い込み続けること。
簡単なものを聞き続けていると、自分のリスニングスキルの向上が止まってしまいます。
だから、自分に挑戦し続けなければならないということなんですね!
ステップ⑤さらにリスニング力をブラッシュアップ
この練習を繰り返し、シリーズの8〜9割を理解できるようになれば、字幕なしでも十分に作品を楽しむことができるようになります。
さらに、リスニングに磨きをかけるには、母国語の吹き替えや字幕を見たり聞いたりするのではなく、そのまま英語版で英語字幕を見るようにします。これも、総合的な英語力とリスニング力が一気に身につく良い方法の一つ。
こうしたステップを忍耐強く歩んでいくことで、初見から100%英語で観られるようになっていきますよ!
まずは慣れた役者さんのセリフから、そして他の役者さんや他の作品でも字幕なしでも理解できるように、少しずつリスニング力をのばしていきましょう。
まとめ
今回は字幕なしで洋画を観る、理解するレベルに達するための5つのステップを紹介しました。大切なのは、自分に適した題材を選ぶこと。そしてそれを遅いスピードから聞き始め、徐々にスピードをあげていくというやり方で練習することです。
残念ながら、英語は3日で身につく!などというマジックはなく、練習の繰り返しは必須。ですが、これらの方法を実践していくうちに、練習した分、しっかりとした英語力がついていきます。
字幕なしで挑戦してみたいという人は、早速観たいシリーズを選んで練習してみてくださいね!