It’s fine.
That’s fine.
どちらも「大丈夫だよ」を意味する表現です。itもthatも中学生で習う表現ですが、この2つの表現の違いはわかりますか?
この記事では、itとthatの意味や使い方の違いを紹介します。itやthatの使い分けを理解して、正しい表現ができるようにしましょう。
Contents
itとthatの違い
itやthatはどちらも代名詞として使われる単語です。使い方が似ているため、違いを理解して使い分けることが必要です。まずはitとthatの意味の違いから確認してみましょう。
itの基本的な意味
itはそれという意味の単語です。基本的には、すでに言及されたものや状況に対する代名詞として使われます。
A:これはなんですか?
What is this?
B:それは電動バイクです。
It is an electric bicycle.
この例文では、Aがすでに言及したものについて、Bがitを使うことで返答しています。また、itは話している内容の対象が明らかな場合や主語が漠然としている場合にも使用されます。
今日は晴れです。
It is sunny today.
今は何時ですか?
What time is it?
これらの例文では、話している内容が身の回りのことであるのが明らかですが、主語が漠然としているので、itを代名詞として利用しています。
thatの基本的な意味
thatはあれという意味の単語です。ものを指すときに使われる単語ですが、指す対象に距離がない場合にはthisを、距離がある場合にはthatを使います。thatはものを指し示すので、指示代名詞ともいわれます。
あれは美しい家です。
That is a beautiful house.
あの人は私の友達です。
That guy is my friend.
oneとの違い
itやthatと似た使い方をするものにoneがあります。
私はペンを無くしたので、一本買わなければなりません。
I lost my pen, so I have to buy one.
このoneは、どのペンかを特定しない代名詞として使われます。不特定のものを指すoneとは違い、itやthatは特定のものを指す代名詞であるため、これらに置き換えて使うことはできません。
itとthatの文法上の違い
前の文を受けてitとthatを代名詞として使う場合、これらには少し違いがあります。以下の例文を考えてみましょう。
A:私は昨晩あなたの車をぶつけてしまいました。
I hit your car last night.
B:大丈夫です。
It’s fine.
A:私は昨晩あなたの車をぶつけてしまいました。
I hit your car last night.
B:大丈夫です。
That’s fine.
これらはどちらも同じ日本語訳の文ですが、前の文をitで受ける場合とthatで受ける場合で違いがあります。
これらのニュアンスの違いは、itが一つの名詞を指し、thatは文全体を指します。つまり、it’s fineは車が大丈夫だと言いたい場合に使われ、that’s fineはぶつけたこと自体を許すという意味で多く使われます。
私は昨日映画を見にいきました。それはとても良かったです。
I went to see a movie yesterday. It was very nice.
私は昨日映画を見にいきました。それはとても良かったです。
I went to see a movie yesterday. That was very nice.
同様に、こちらの例文でも、itはmovieを指すので映画自体が良かったことを意味するのに対して、thatは映画を見に行ったことを含めて体験全体が良かったという意味があります。
また、同じ例文において、itが単なる言い換え表現として使われるのに対して、映画自体を再度強調して情報を付け加えたい場合はthatが代名詞に使われます。
これは、thatを使うことで、改めて対象のものを指し示しているというニュアンスの違いがあります。
itとthatを使った表現と構文
itとthatは組み合わせて使うことが多い単語です。特殊な文法や慣用表現も多いので、併せて覚えておきましょう。
itとthatを使った表現①it+that節の構文
itはthat節と組み合わせることで、that以下の内容をitを主語として置き換えることができます。このitを形式主語といいます。
あなたが私の兄を知っていたことは驚きです。
It is surprising that you knew my brother.
この例文の日本語訳では、that以下の「あなたが私の兄を知っていたこと」が主語になりますが、英語の場合は長い主語をitに置き換えて後から主語の説明をしています。
itとthatを使った表現②it is 〜 that節の強調構文
先ほどと同じような構文を用いて、thatの前の単語を強調することができます。
あなたに昨日チョコレートをあげたのは私の妹だったんだよ。
It was my sister that gave you the chocolate yesterday.
この例文の場合、強調しているのはthatの前の「私の妹」なので、ニュアンスとしては「他の誰でもなく私の妹だった」という意味合いに重点を置いています。この文の順番を変えると、他の場所を強調することも可能です。
あなたに昨日私の妹があげたものはチョコレートだったんだよ。
It was a chocolate that my sister gave you yesterday.
この場合はチョコレートがthatの前にあるので、あげたものが他のものではなくチョコレートだったことを強調しています。
itとthatを使った表現③it seems that
it+that節を用いる似たような表現で、it seems that〜があります。
彼女は幸せそうです。
It seems that she is happy.
この場合は先ほどとは違い、形式主語ではないことに注意が必要です。また、この表現は以下のように書き換えることができます。
彼女は幸せそうです。
She seems to be happy.
it seems thatは書き手の主観、seems to beは客観的な表現であるという違いがあります。
itとthatを使った表現④that’s it
that’s itはthat is itの略で、これで終わりやそれだを意味する慣用表現です。
これでおしまいです。あなたたちはもう家に帰ることができます。
That’s it. You can go home now.
それだ!それが私が探していたものです。
That’s it! That is what I have been looking for.
似たような表現にthat’s allがありますが、こちらもこれで終わりやこれで全部という意味があります。
A:何か他に注文はございますか?
Would you like to order anything else?
B:いいえ、これで全部です。
No, that’s all.
itとthatの違い|It’s fineとThat’s fineの使い分けや強調構文も例文解説まとめ
itとthatは似た表現ですが、意味や受け答えでの使い方に違いがあります。また、itやthatはさまざまな複雑な文法に登場する単語です。自分が表現したいことと意味の違いを理解して、itとthatを正しく使い分けられるようにしましょう。