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itsとit’sの意味と違い|日常会話やビジネスで頻出の使い方を例文解説

英語の勉強を進めていると、違いが分かりにくい表現に出会う機会が増えますよね。それが英文に必ず出てくるフレーズや単語であれば、なおさらです。なんとなく使っていたけれども、気が付けば間違った言い方をしていることも。

今回は特に英語初心者が違いに悩むits とit’s の違いについて取り上げます。「もうわかっているよ」という方も、あらためておさらいしてみると、知らなかったことに出会えるかもしれませんよ!


its とit’s の違い

それでは、早速itsとit’sの違いについて解説します。itsとit’sは、読み方(発音)は同じですが、意味や文法的な役割は全く違います。

itsとit’sの意味だけでなく、itsとit’sを使った例文、ビジネス用語のITSの解説も一緒に紹介するので、この機会にまとめて覚えてしまいましょう。

itsについて

代名詞「I 、she 、he」の変化を学ぶ際に、「私の」を意味するmy 、「彼女」のを意味するher 、「彼の」を意味するhis、を覚えたと思います。

itsは代名詞itの所有格で、それのを意味します。対象は無機物や生き物など、使用範囲は広いです。

もし願い事を口に出してしまったら、ろうそくは魔力を失ってしまいます。
The candle will lose its magic power if the wish is uttered aloud.

美しい目をしているから、この猫が欲しいです。
I want this cat because its eyes are beautiful.

湿度のことを考えると、日本はあまり住むのに適した国ではありません。
Given its humidity, Japan is not an ideal country to live in.

その会社は30年前の創業以来、パイオニアであり続けています。
The company has been a pioneer since its launch 30 years ago.

ITサポートチームがそのミスに対処します。
The IT support unit will deal with its mistake.

it’s について

続いてit’sについて解説します。it’sはit is 、またはit hasの短縮形で、とてもよく使われるフレーズ。it isの短縮形なのか、it hasの短縮形なのかは、文脈や過去分詞の有無で判断しましょう。

ごめんなさい、でも私の責任ではありません。
I’m so sorry, but it’s not my fault.

お久しぶりです。
It’s been a long time.

もしよければ、会議を延期したいのですが。
If it’s ok with you, I would like to postpone the meeting.

5時10分です。
It’s ten after five.

ビジネス用語としてのITSについて

ここで少しおまけ話。

ITSという略語があります。なんの略かというと、Intelligent Transport System の略で、高度道路交通システムを意味します。

高度道路交通システムは道路交通に情報システムを応用し、渋滞などの諸問題を解決するための技術、サービスの総称です。現在でもIT技術の向上と共に市場規模も拡大しており、今後の展開にも注目が高まっています。

関連フレーズ

次はitsやit’sが使用されている代表的なフレーズについて取り上げます。例文を一緒に紹介するので、実際の使い方もまとめて覚えましょう。

famous for its

まずはitsを使用したフレーズを紹介。A is famous for its 〜 という使い方で、Aは〜で有名ですという意味になります。

熱海は温泉で有名です。
Atami is famous for its hot spring.

post it

こちらは投稿する、という意味のフレーズです。ちなみに、Post-itの場合は付箋を意味します。文脈から名詞なのか動詞なのか、しっかり判断しましょう。

手紙を書いたのなら、あなたの代わりに出しますよ。
If you have written the letter, I’ll post it instead of you.

at its best

最高の状態で、または盛りを極めて、という意味のフレーズで、itsの部分はtheirなど他の所有格を使用することが可能です。

今は桜が見頃だ。
The cherry blossoms are at its best now.

in its entirety

こちらはそっくりそのままという意味で、先行名詞が複数形の時はin their〜となります。

古墳は完全な形で保存されてきた。
The ancient tomb has been preserved in its entirety.

It’s up to 〜

〜次第〜に決定権がある任せるという意味のフレーズです。日常会話からビジネスシーンまで、様々な場面で使用されます。

クライアントに明日の営業会議について連絡するのはあなたに任せます。
It’s up to you to contact the client about tomorrow’s business meeting.

a leopard cannot change its spots

直訳すると「ヒョウは自分の模様を変えられない」という意味のこちらの文章、人は持って生まれた性格を変えることはできない、という意味のフレーズです。日本のことわざでは三つ子の魂百までという表現になります。

知っての通り、人の性格は簡単に変わりません。彼女は禁煙できないでしょう。
Of course you know, a leopard cannot change its spots. So I think she can’t stop smoking.

It’s a piece of cake

こちらも英会話の中では定番のフレーズの一つ。簡単朝飯前という意味です。

アメリカ政府の政策の明快さを要求するだけなら話は簡単なのです。
It’s a piece of cake simply to demand clarity in U.S government policy.

it’s raining cats and dogs

直訳すると「犬と猫が降っている」という不思議な文章になりますが、こちらは土砂降りを意味するイディオムです。

今日は土砂降りだから、家にいましょう。
It’s raining cats and dogs, we have to stay at home today.

it’s a small world

ディズニーのアトラクションでお馴染み、直訳すると「小さな世界」という意味の文章。

こちらは偶然が重なった時に使う奇遇だね偶然ですね、などを意味するフレーズとしても使われます。映画ローマの休日ではアン王女と再会した新聞記者のジョーが使っていました。

奇遇だね!君とこんなところで出会うなんて思わなかったよ。
It’s a small world! I didn’t expect to see you here.

as it is

こちらのフレーズは現状では今のところという意味。仕事の進行を確認したりするときに聞く機会が多いです。

この問題を解決するのは現状難しすぎる。
It’s too difficult for me to solve this issue as it is.

まとめ

itsとit’sの違いについて取り上げてみました。似ている表現でも、きちんと比較してみるとその違いは明らかでしたね。

日本語訳では省略されることも多いit’sやitsですが、英語ではどちらも重要な役割を果たします。きちんと覚えて適切に使いこなせるようになりましょう!