近年、ジェンダーという言葉をよく聞くようになりましたよね。
ジェンダーニュートラル、ジェンダーレス、ジェンダー平等、ジェンダーギャップなど、ジェンダーを用いた色々な表現があります。よく耳にするものの、知っているようでなかなかきちんと説明できない人も多いのでは?この記事ではジェンダーの意味、使い方、使用例を紹介します。
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ジェンダーの意味と使い方
ジェンダーのスペルはgender、発音はアメリカ英語では dʒéndər(ジェンダァ)、イギリス英語では、dʒéndə(ジェンダ)となります。意味は、社会的性別です。
ではsexと何が違うのでしょう?
簡単にいうと、sexは生物学的な性を表すのに対し、genderは個々が自覚する性や社会的、文化的な性を指します。ジェンダーを英語で説明すると、以下のようになります。
ジェンダーとは、社会的に女性、男性、女の子、男の子に構築された属性のことを指す。
Gender refers to the characteristics of women, men, girls and boys that are socially constructed.
少し難しいですね。でも社会的にというところがポイントです。身体のつくりなのか、社会や文化によって定義づけられたことなのか、という違いです。
例えば、産まれてくる子供の性別を知りたい時には、what is the sex of the baby?と聞きます。
しかし、what is the gender of the baby?と聞くのは不自然です。産まれてきていない子供は、まだ自分の性を自覚できていないですからね。
ジェンダーニュートラルとは?ジェンダーの使用例と意味
では、このジェンダーとは実際には、どのように使用されるかを紹介します!
gender-neutral(ジェンダーニュートラル)
neutralは中立という意味です。よって、ジェンダーニュートラルとは、ジェンダーのどちらに偏ることもない、という意味になります。男女の性差にとらわれず、万人に中立的な状態を指します。
身近な例では、以前は小学校で先生が生徒の名前を呼ぶ際、男の子は「くん」付け、女の子は「さん」付けをしていました。最近では男の子も女の子も「さん」付けをして呼ぶことが多いですね。
性別にとらわれず、誰に対しても同じ呼び方をしているので、ジェンダーニュートラルの呼び方と言えます。では、英語ではどのようにジェンダーニュートラルが活用されているか、使用例を紹介します。
消防士
fireman → firefighter
警察官
policeman → police officer
俳優
actress → actor
客室乗務員
stewardess / steward → flight attendant
販売員
salesman / woman → salesperson / sales representative
レストランなどの給仕、接客業務係
waitress / waiter → server
これらの単語は英語圏で浸透していますので、英語圏の人と話すときはジェンダーニュートラルの表現を使えるようにしておくといいですね。この機会にしっかり覚えてしまいましょう!
genderless(ジェンダーレス)
レスは「〜がない」という意味なので、性別がないという意味になります。男女の区別をなくす、ということです。
例えば、最近注目されているジェンダーレス男子。化粧もするし、これまで社会的に期待されていた服装よりも、自分らしい服装を好み、自分らしさを高めています。タレントだと、りゅうちぇるやMattが有名ですね。特にファッションや化粧品分野で、こんな風に使われます。
ユニクロで、ジェンダーレスの洋服があるよ。
You can find genderless clothing at UNIQLO.
どのジェンダーレス化粧品がおすすめ?
Which genderless beauty brand would you recommend?
なお、これらの表現の場合は、genderlessをgender-neutralに置き換えてもOKです。どちらも男女の区別のない(中立)という意味になりますからね。
gender discrimination(ジェンダー差別)
discriminationとは、差別の意味です。よって、ジェンダー差別とは、男か女かによって受ける差別のことです。これはsexismとも表現できます。以前、ある大学の入試でも女性だから不合格にした、というやりとりが発覚して話題になりました。
今でも世界には、女の子だから、というだけで学校に行かせてもらえず、教育の機会を失っている子供がたくさんいます。ジェンダーによる差別を受けているからです。
ジェンダー差別のせいで、たくさんの国で女の子が学校に行くことができない。
Gender discrimination does not allow girls to go to school in many countries.
ジェンダー差別によって、ジェンダーの不平等が生まれます。では、ジェンダーの不平等とは何か、見ていきましょう!
gender inequality(ジェンダー不平等)/ gender equality(ジェンダー平等)
inequalityは不平等、equalityは平等を意味します。
ジェンダー差別により、ジェンダー間で不平等な状態が生まれます。男の子は学校に行って教育を受け、未来が開けるのに対し、女の子は教育が受けられず、将来できることも限られる。これはジェンダー間での不平等です。そのような差別を取り除き、男でも女でも平等な状態にすることをジェンダー平等と言います。英語では以下のように表現します。
ジェンダー差別がジェンダー不平等を作り出している。
Gender discrimination creates gender inequality.
私たちはジェンダー平等にもっと関心をもつべきだ。
We should be aware of gender equality more.
まとめ
今回はジェンダーの意味や使用例について紹介しました。
ちょっと難しい話題ですが、今、世界で大きなムーブメントになっていて、特に英語圏の人はジェンダーの話題にとても敏感です。これらの単語や意味をしっかり覚えて、自分の意見も合わせて英語で話せるように練習してみましょう。仕事でもプライベートでも役立つ単語です。知的な英会話を通して、「単に英語が話せるだけでないんだな」と思ってもらい、さらに交友を深めていきましょう!