小学校から始まる日本の英語教育。放課後には塾にも通い、勉強三昧の日本人。
自分は英語ができる!
そう思っていても、実際には道端で外国人に道を聞かれたときに何にも言えなかった!なんてことや、電車のホームで困った顔をしている外国人に声をかけて助けてあげたいんだけど、なんていったらいいかわからない!というシチュエーションに遭遇したことはありませんか?
「英語には自信があったのに、なんで喋ることはできないんだろう…」このような葛藤は多くの日本人が抱える問題であると思います。
なぜこんなに早くから英語教育を始めても、英語を話すことができる日本人は少ないのでしょうか。自分の勉強方法が間違っている?勉強時間が足りない?
今回はその「なぜ」にせまって、日本人の英語が苦手な理由を環境的要因と心理的要因の2つにわけて解説し、それについての解決策を紹介します!
Contents
環境的要因:日本の英語教育と解決策
理由①日本人の英語に対する考え方と勉強法
あなたはなぜ英語を勉強していますか?また、どのように英語を勉強していますか?
・義務教育だから
・学科の科目だから
・身に着けるべきスキルだから
・文法を勉強する
・教科書を読む
・単語帳で勉強する
などですか?
だいたいこのような考えを持っている人が多数だと思います。
しかし、英語とは、単語や熟語を丸暗記することでなく、言葉の考え方や感じ取り方をありのまま受け取ることなんです。
英語は、コミュニケーションなので、一人では身につけることはできません。友達や同僚と、教科書の会話文を一緒に練習してみたり、洋楽を一緒に歌ったりして英語を声に出して読んでみましょう!
最初は教科書を読んでいるだけの感覚になってしまうかもしれませんが、何回か繰り返していくうちによく使われるフレーズや表現が自然と口にできるようになってきます。
理由②文法中心の教育
日本の英語教育は、読み書きが中心のサイレント学習方法。
一生懸命ノートに書き、それを読むことが中心となっています。
単なる、受験勉強を攻略するための学習になっていることも。
英語でのコミュニケーションには、リスニングとスピーキングの練習がもっと必要。
そのためには「シャドーイング」という学習法がおすすめです。
「シャドーイング」とは、聞こえてくる英文に対し、影(シャドー)のように後を追って発音し、マネをする英語学習法。
シャドーイングを行うことで、リスニングとスピーキングの力がぐんっとあがるんです!
理由③受け身のリスニング
英語の授業では、読み書きだけでなく、英語を聞く「リスニング」もあるじゃないか?と思いますよね。でも、よく思い出してみてください。学校の英語の授業で行うリスニングは、だいたい「イエス」か「ノー」で答えられる受け身のリスニングではないですか?
CDを聞いて、あてはまる答えに〇をする。その回答をチェックして、次のページをやりましょう、という流れだと思います。
せっかくリスニングの練習をしても、受け身で聞いているだけでは、積極的に英語を口にする機会がないんです。
これでは、単なる受け身のリスニング。
聞いて終わるだけでは、残念ながらスピーキングにつながりません。
その点、英語を「シャドーイング」することは、受け身ではなく「積極的なリスニング」になります。
素材となる英文を実際に口にするため、結果的に「英語を話す力」も身に付けられるんです。
理由④そもそも英語を話す機会や必要性がない
昔と比べると、近年は日本に住む外国人が増えてきたと思います。
しかし、日本は島国であり、日本人しかいないところで生活するのに英語を話す必要性がそもそもないんです。
普段生活していて、英語を話さなければ生きていけないという場面に遭遇することは、なかなかないですよね。しかし、英語を話せるようになるには、気持ちの切り替えが大切です。
英語を話せるようになったら、「こんなことができる」など自分の具体的なゴールやキラキラした未来を想像して、「英語を話す必要性」を自分で作り出していきましょう。
ここまでは、環境的要因と解決策について解説しましたが、次は日本人の心理的要因と解決策について解説します。
心理的要因:日本人の性格と解決策
理由⑤ほめることが苦手
海外で生活して感じるのは、ネイティブはほめるのが上手、ということです。
男性、女性関係なく、見知らぬ人でも、その人の着ている服が素敵であれば「そのコート素敵ですね!」とか「あなたの帽子、とても似合ってるわよ!」的なほめ言葉を日常的に言います。別にお礼が聞きたいわけでも、お世辞で言っているわけでもないんです。
道端を歩いていて突然見知らぬ人にほめられたら、最初はびっくりするかもしれませんが、とてもいい気持ちになりませんか?ネイティブはそれがナチュラルにサラっとできてしまうんです。
相手のいいところをほめるとお互い気持ち良くなるし、そこから会話が弾んで楽しくなっていきます。
一方で、日本人は思っていることをなかなか口に出さないという風潮があると思います。感情を表に出すのが「恥ずかしい」という文化があるからなんでしょうか。
今度友達に会ったときに、どこかいいところを見つけて、「それ、素敵だね!」とか「あなたにとても似合ってていいね」などのほめ言葉を言ってみませんか?
また、友達でなくとも、道端で歩いている人の服装や髪型が素敵であれば、思い切って「素敵な色の服ですね!」など、声に出して言ってみるのもいいかもしれません。
ほめられて嫌な人はいません。ほんの少しの勇気を出せば、繰り返していくうちに、自然とほめることが得意になってきます。
ほめる相手がネイティブであれば、英語でのほめ表現や「いいね!」というフレーズを学ぶチャンスにつながります。
理由⑥間違いを恐れて自信がない
日本人の多くは、「間違ってはいけない」「間違うことに対して抵抗がある」という意識を持っているようです。文法を意識しすぎて、頭の中で言いたいことの単語をまず並べ…「I want to eat….。あれ?そのあとは…?」なんてこと、していませんか?
また、自分の間違いや、間違いを指摘されたことばかりが気になって、恥ずかしさを感じ、積極的に発言することができなくなってしまいます。もしもあなたが間違いをおそれているなら、今日から気持ちを切り替えてみましょう。
間違いから学ぶことはたくさんあります。失敗は成功の基、とも言いますよね。
間違えれば間違えるほど、英語がどんどん上達していくんです!
間違いを恐れずに、自信を持って英語を口に出す努力をしましょう。
理由⑦「沈黙は金」の文化
英語圏の人からみると、日本人はとてもシャイです。いつもニコニコ笑っていて「ハハ、イエスイエス」とうなずいている人ばかりを想像するらしいです。
恥じらいをもつというのは悪いことではないですが、海外の人からみると「自分の意見がない人」とみなされてしまいます。
英語圏では、いかに自分の意見をいうかが勝負になってきます。ネイティブの人たちは、ディスカッションが大好きです。
政治、ニュース、今起きていることについてなんでも、あなたがどう思っているかに興味があります。
会話の中で必ず「What do YOU think of that?(あなたはそれについてどう思う?どう考えてる?)」と聞いてきます。
まずは日本語で、物事に対する意見を考え、持つことを大切にしてみてください。
今起こっているニュースや関心のあることに耳をかたむけて、自分がそれに対してどう思うのかを考えます。
もし日本語で意見が言えれば、次はそれを英語で表現します。
まず、わからない単語があれば調べて、自分の言いたいことや意見を文章にしてみます。最初は文章を紙に書いて、それを音読してみてもいいですが、慣れてきたら、文章に書くステップを飛ばして頭の中で言いたいことを構築してみましょう。
このように、自分の意見をいつでも考え発言することを心がければ、ネイティブと話すチャンスがきたときに実際に会話を楽しむことできます。
まとめ
今回は、日本人が英語を話せない理由と、その解決策について解説しました。
「英語が話せない日本人」とレッテルを貼られるのではなく、その現実はあなたの努力によって180度変えられるんです。現に流ちょうな英語を話す日本人はたくさんいます。ある日突然話せるようにはもちろんなりません。
月日をかけて忍耐、努力すればネイティブと楽しく会話ができる日が必ずやってきます。「英語が話せる自分」を想像して、今日からできることにチャレンジしてみませんか?