あなたは英語の詩をどのくらい知っていますか?1編も知らないという方がほとんどだと思います。本記事では5編の有名な英詩を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
簡単にできる英詩の書き方も解説しているので、実際に自分でも書いてみてSNSやブログなどに公開してみましょう!
Contents
有名な英語の詩・ショートポエム 赤い手押し車
日本で宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を誰もが知っているように、英語にも名作詩が存在します。本記事ではその中でも有名な詩を5つ紹介します。
①The Red Wheelbarrow – William Carlos Willams 赤い手押し車
The Red Wheelbarrow 赤い手押し車はウィリアム・カーロス・ウィリアムズという20世紀を代表するアメリカの詩人によって書かれました。
自由詩と散文を交互に使った詩になっています。
So much depends
Upon
A red wheel
Barrow
Glazed with rain
Water
Beside the white
Chickens
多くがそんなにも頼るのは
ひとつの赤い手押し車
キラキラとした雨水
近くには白い鶏たち
赤い手押し車と白い鶏は対照の色になっており、郊外の農家の生活が想像できる詩となっています。
②No Man is an island – John Donne 人はたった一人で生きることはできない
こちらの詩はイギリスの詩人・作家であるジョン・ダンによって書かれた詩です。
No Man is an islandは人はたった一人で生きることはできないという意味でとても有名な言葉です。
No man is an island,
Entire of itself,
Every man is a piece of the continent,
A part of the main.
If a clod be washed away by the sea,
Europe is the less.
As well as if a promontory were.
As well as if a manor of thy friend’s
Or of thine own were:
Any man’s death diminishes me,
Because I am involved in mankind,
And therefore never send to know for whom the bell tolls;
It tolls for thee.
人は離島ではない
一人では生きていけない
人は皆大陸の一部
もし波によって心が流されても
欧州の大陸は狭く
岬が小さくなっていくように
あなたの友やあなた自身の土地が
なくなっていくように
人が亡くなると自身が小さくなる
それは自分も人類の一部だから
誰のために鐘が鳴るのかはわからない
あなたのために
人を島に例えて、人は一人で生きていけないということを表現しています。
③Fire and Ice – Robert Frost 火と氷
Fire and Iceはアメリカの詩人であるロバート・フロストによって書かれた詩です。
火と氷を欲望と憎しみの感情として表現し、世界の終わりについて語っています。
Some say the world will end in fire,
Some say in ice.
From what I’ve tasted of desire
I hold with those who favor fire.
But if it had to perish twice,
I think I know enough of hate
To say that for destruction ice
Is also great
And would suffice.
世界は火で終わると誰かは言う
誰かは氷で終わると
欲望を味わったことから
自身は火に好む
二回死ぬことがあれば
憎しみを味わい
氷を好む
十分に
④Trees – Joyce Kilmer 木
Treesはアメリカの詩人であるジョイス・キムラーによって書かれた詩です。詩題がTreesと複数形ですが木と和訳されています。
木は人間が作り出した芸術は木の美しさには勝てないという強いメッセージを伝えています。
I think that I shall never see
A poem lovely as a tree.
A tree whose hungry mouth is prest
Against the earth’s sweet flowing breast;
A tree that looks at God all day,
And lifts her leafy arms to pray;
A tree that may in Summer wear
A nest of robins in her hair;
Upon whose bosom snow has lain;
Who intimately lives with rain.
Poems are made by fools like me,
But only God can make a tree.
一生出会うことはないだろう
木ほど完璧な詩に
木は口を開けて待っている
優しく流れる地球の乳房を
木は神を一日中目を向け
葉の茂った腕を持ち上げ祈るため
木は夏の装いを許す
コマツグミの巣を彼女の髪にかける
胸の上には雪がかかる
雨と親しく生きている
詩は自身のような愚か者によって作られる
木は神によって作られる
詩は人によって人工的に作られた作品だが、自然(神)によって作られた木という作品に勝ることはできないと表現しています。
英語の詩のルールとは?
英詩には日本語と同じように決まりがありますが、 特に「韻」に関するルールが多いです。
例えば、Couplet(二行連句)は、2文の終わりの言葉が韻を踏んでいなくてはいけないというものです。
これが、3文になればTercet(三行連句)、4文ならばQuatrain(四行連句)となります。
反対に文の初めの単語が韻を踏まなくてはいけないAlliteration(頭韻法)というルールもあります。
また、日本語の詩でも馴染みのある比喩的表現(Metaphor)は英詩にもあるルールです。
英語の詩の書き方
本記事では誰でも簡単にできる5行詩を紹介します。
1.語尾が同じ単語を5つ選ぶ
2.1行目は1語、2行目は2語、3行目は3語…のように増やしていく
3.最後の5行目でしめる(オチをつくる)
※2では、1で選んだ単語を各行の中に必ず入れてください。
ただ単語を並べるのではなく、比喩的表現や韻を踏む単語を加えることでおもしろい作品が出来上がるので、ぜひ工夫してみてください。
実際に詩を書いてみる
実際に5行詩をひとつ作ってみます。
1.語尾が同じ単語を5つ選ぶ
今回は語尾2文字が同じ単語を選択しました。
Employee, Coffee, Agree, Disagree, Bee
2.1行目は1語、2行目は2語、3行目は3語…のように増やしていく
Employee
With coffee
Agrees and disagrees
In lots of meetings
3.最後の5行目でしめる(オチをつくる)
Sounds like a busy bee
Employee
With coffee
Agrees and Disagrees
In lots of meetings
Sounds like a busy bee
会社員
コーヒーを持っている
賛成したり否定したり
多くの会議の中で
働きバチみたいな音がする
簡単な内容ではありますが、ある社員の忙しさを表現する詩です。
最初に語尾が同じ単語を選ぶときにEmployee(社員)の仕事を想像して、その仕事内容に合いそうな単語を選択するよう意識しました。最初に語尾が同じ単語を選ぶことで、自然と韻を踏む詩に出来上がります。
こちらを参考にして自分でも作ってみてください。
英語の詩を使った勉強法
英詩を使って英語学習を行う方法をご紹介します。
前述した「5行詩」を活用して英語のアウトプットをするのも1つですが、自分が知っている単語しか使うことができません。
新しい単語やフレーズに出会うために今回紹介したようなショートポエムを調べてみるのをおすすめします。
ショートポエムは普通の英文とは異なりさまざまな手法が使われているので、意味を調べるだけでも英語のインプットが可能です。
またショートポエムは歌に似ている部分もあるため音読をするのもおすすめです。ショートポエムや詩は小説と同じように読む人によって受け取るメッセージが違うので、自分の感じるままに音読をしてみてください。
まとめ
今回は有名な英語の詩をご紹介しましたが、気に入ったものはありましたか?英詩は意味を理解するのが少し難しい部分がありますが、その分英語の勉強になります。ぜひ今回紹介した5行詩で詩を作ってみてください。
自分で詩を作ることで英語のアウトプットにもなり、ライティングやスピーキングにも生かされるでしょう。