相手にとって急な話をするときに、日常的にもビジネスでも使われる「突然ですが」。日本語では頻繁に耳にしますが、英語ではどのように伝えるとよいのでしょうか。「突然ですが」の英訳とその読み方、状況に応じた使い方を具体的な例文を交えて紹介します。
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「突然ですが」を英語で
「突然で申し訳ありませんが」や「突然のご連絡で恐縮ですが」など、日本語で突然ですがを使う機会はよくあります。
突然というとsuddenlyを思い浮かべる方も多いかもしれません。これは副詞で、発音は「ˈsʌdənli」、読み方はカタカナで「サドゥンリ」です。行動を伴う出来事に付随されます。
私の犬が突然走り出した。
My dog suddenly took off running.
「突然ですが」の場合、形容詞のsuddenが多く使われます。suddenは、突然に、いきなり、の意味を持ち、予想していなかった出来事が起こる場合に使われます。「sʌ́dən」と発音し、カタカナで「サドゥン」と読みます。
それでは、早速状況ごとに例文を見ていきましょう!
スピーチで使う「突然ですが」の英語表現
自分の経験したエピソードに感情を交えて伝え、相手を楽しませるスピーチでは、話の中に相手を巻き込むような以下のような使い方が考えられます。
突然ですが皆さん。
This is sudden, everyone.
突然ですがクイズです。
Here’s a sudden quiz.
また、話を盛り上げるために、このような使い方もするかもしれませんね。
その時突然、ひらめきました。
Then suddenly, an idea struck me.
プレゼンで使う「突然ですが」の英語表現
相手に自分の主張を伝え、納得してもらうためのプレゼンでは、相手の感情を驚かさないようにクッション言葉として使う場面が考えられます。
突然ですが、私の結論を述べさせていただきます。
It’s sudden, but I’ll tell you my conclusion.
突然ですが皆さんに質問です。
This is a bit sudden, but I have a question for you all.
ちなみにここで、a bitではなくquiteを使うこともできますが、a bitは「少し」に対してquiteは「たくさん」の意味なので、急な話の展開で質問を投げかけるようなときに使いましょう。
かなり突然ですが、質問です。
This is quite sudden, but I have a question for you all.
メールで使う「突然ですが」の英語表現
今まで取引をしてこなかった初めての相手に対して、日本語では失礼のないよう「突然のご連絡、大変恐れ入ります」など最初にお伝えすることがあります。
しかし、そもそも英語圏の人にとってメールは突然送られてくるもの、という認識があるため、「突然ですが」はあまり使いません。
また、メールはできる限り簡潔に要点のみ伝えることが好まれます。どうしても使いたいときには、以下のような表現がいいかもしれません。
予告なくご連絡させていただきますことを、ご容赦ください。
Please note that we will contact you without notice.
「突然ですが」に似た英語表現
無礼にならないように、クッション言葉をよく使う日本には、「突然ですが」に似た言葉がいくつかあります。日本語から英訳したいときに、どのような言葉が適切か、見ていきましょう!
「突然ですが」に似た英語表現①いきなりですが
「突然ですが」の言い換え表現として、「いきなりですが」があります。
日本語では厳密には、突然は予想しない出来事に対して使われるのに対し、いきなりは前の出来事から時間を置かずに次の出来事を起こすときに使われます。しかし、英語ではどちらもsuddenで表現することが可能です。
いきなりですが、テストをします。
It’s sudden, but I’m going to do a test.
いきなり飛び出さないように。
Don’t jump out suddenly.
「突然ですが」に似た英語表現②早速ですが
「早速ですが」は挨拶などを終えた後、すぐに本題に入るときに使用します。最近ではオンライン英会話などでも耳にするかもしれません。
Without further adoが、「前置きなしに」「難しい話は抜きにして」という意味ですが、メール同様そもそも突然だから失礼、というようには受け取られないかもしれません。そのため、あえて「早速ですが」は伝えずに、急に本題に入ることもあります。
早速ですが、本題に入らせていただきます。
Without further ado, let me get to the main topic.
早速ですが、始めましょう!
Let’s get started right away!
「突然」のスラング
突然の出来事は日常的に起こるので、いくつかスラングもあります。積極的に使うことはないかもしれませんが、突然耳にすると意味がわからないので、このような使い方があることだけでも覚えておきましょう。
「突然」のスラング①ghost
ghostというと、幽霊をイメージしますが、まさに幽霊のように突然人前からいなくなることを指すスラングです。メールや電話など、一切の音信不通になる状態のことを指します。恋愛で使われることが多いようです。
ついに彼女とは連絡がつかなくなったよ。
Finally, she ghosted me.
「突然」のスラング②spontaneous
自発的な、自然発生的な、という意味を持つspontaneousですが、カジュアルな使い方で、突然、急に、といった意味で使用します。
今日は急に仕事が入ったんだ。
I spontaneously got some work today.
また、スラングではなく昔から使われる慣用句ですが、out of the blueも突然の意味で使います。語源としては、青空から急に稲妻が現れる様子を表現したことから、派生したようです。
彼は突然来た。
He came out of the blue.
突然ですがを英語で?スピーチ・プレゼン・メールでの使い方とスラングまとめ
「突然ですが」は、日本語ではコミュニケーションを円滑にするために頻繁に使いますが、英語ではそこまで気にしなくても良いのかもしれません。
しかし、「突然で悪いな」「気を悪くしないかな」など、相手を思いやる気持ちは大切です。今日紹介した例文を使いながら、相手の思いに寄り添ってみてはいかがでしょうか。