海外でも人気の高い日本文化や日本食。sushiやtempura、kimonoなど、有名な日本語は説明しなくてもそのまま海外で通じます。海外旅行中に、日本語の看板をみたり、聞いたりするとなんだか嬉しくなりますよね。
日本のポップカルチャーが世界に広まり、anime、manga、kawaiiなど、英語として使われる日本語も年々増えています。中には、これも英語として使われているの?と感じる意外な言葉まで。
今回は、世界で通じるそんな意外な日本語を紹介します。また、英語として使えない、注意が必要な和製英語も紹介しますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。これ、英語じゃなかったの?と目からウロコの新たな発見にもなりますよ!
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通じる日本語があるのはどうして?
発音も単語も全く違う日本語、なぜ海外に伝わったのでしょうか。それは、16世紀の半ばころ、宣教師のフランシスコ・ザビエルが、日本へ布教に来たことをきっかけに、ヨーロッパ諸国へ伝わりはじめたそうです。
その頃に英語に取り入れられた日本語は、shogun(将軍)、samurai(侍)、inro(印籠)、tatami(畳)などごくわずかな言葉のみ。
日本独特の文化を外国人に説明するには、翻訳するよりも日本語のまま表記する方が伝わりやすい言葉も多く、やがて、そうした一部の日本語が海外でも通じるようになっていきます。
そして、鎖国をしていた日本が江戸時代の終わりに開国したことを機に、海外との交流がさかんになり、日本の文化とともにより多くの日本語が海外へと広まっていきました。
海外で通じる意外な日本語
sushiやtempura、ramenなどは、日本語を勉強していなくても知っているという外国人はたくさんいます。最近では、kawaiiやmangaなども日本のポップカルチャーを表す言葉として広く認知されていますよね。
animeは英語のanimationから来ていますが、日本で制作されたアニメはanimeと表現されるようになりました。他にも海外に通じる日本語がたくさんあります。ここでは海外に通じる意外な日本語を紹介します。
sake 酒
sakeは麹と米と水を原料として作られている日本酒のことです。Japanese wineと訳されることもありますが、最近は海外にも日本食のレストランや寿司屋が増えており、日本酒を出すことも多いのでsakeと言えば日本のお酒と認識されることが多くなりました。
matcha 抹茶
日本では抹茶はお茶として飲むのはもちろん、抹茶ラテや抹茶のスイーツなど人気がありますよね。海外でも日本の抹茶の人気が高まっており、日本語と同じようにマッチャと発音します。ちなみに海外では緑茶はgreen teaと表現します。
satsuma さつま
satsumaとは何を意味していると思いますか?サツマと言うと薩摩地方やさつまいもを思い浮かべるかもしれませんが、実は温州みかんのことを表しています。
現在は和歌山県や愛媛県が代表的産地の温州みかんが、なぜsatsumaと呼ばれる所以なったのかは諸説あるようですが、江戸時代に鹿児島県で生まれ、それが海を渡ったため、satsumaと言われるようになったそうです。
bento 弁当
bentoはご飯とおかず数種類を一つの箱に綺麗に詰めた日本の弁当のことを指しています。日本文化やアニメに興味を持つ人が多いフランスで、日本スタイルの弁当がブームになったと言われており、それが段々と世界に広まったそうです。
欧米のサンドイッチとフルーツのみといった質素なランチに比べ、日本の弁当は少しずつ多品目のおかずが食べられ、栄養バランスも良く、見た目も綺麗ということで世界中で人気が高まっているそうですよ。
emoji 絵文字
SNSやメッセージを送るときに文字サイズの表情や食べ物などの絵文字を使うことがありますが、これもemojiと呼ばれています。日本ではフィーチャーフォン時代から絵文字を使って気分を表していましたが、これも海外に渡り、そのままemojiとして使われるようになりました。
ちなみに、:)やXDといった日本では顔文字と言われているものは、海外ではemojiではなく、emotionやface markと表現します。
tsunami 津波
tsunamiが海外に広まったきっかけは、新聞などが普及し、世界の状況を知ることができるようになった19世紀後半に起きた明治三陸地震がきっかけと言われています。
地震があまりこない地域ではtsunamiという恐ろしい現象でたくさんの死者が出たことを知り、同じ災害が何度も起きることでtsunamiという呼び方が一般的になり、世界で共通の言葉になりました。
海外では使えない和製英語
ここまで海外で使える日本語についてみてきました。反対に英語だと思って使っている言葉が、実は日本でしか通じない言葉、つまり和製英語もたくさん存在しています。
和製英語は、英語を元に作られているので英語のように聞こえますが、これらは日本独自の言葉。和製英語を上手に発音しても、英語には存在しない言葉なので、残念ながら海外では通じません。ここでは日本でよく使われる英語のような和製英語を紹介します。
ペットボトル
私たちが日常よく見るペットボトルは、英語ではplastic bottleと表現します。ペットはペットボトルを作る樹脂であるPETからきていますが、海外ではPETは飼っているペットを連想するので、plastic bottleを使いましょう。
ホームパーティー
ホームパーティーも海外では通じない和製英語です。
house partyやa party at homeと表現します。
homeとhouseは似ていて混同してしまいそうなので注意が必要です。
リサイクルショップ
日本ではリサイクルショップといえば中古販売店と言う意味として使われていますが、英語ではrecycle shopではなくsecondhand storeと表現します。
リサイクルはrecycle、ショップはshopですが、recycleは新たに資源や資材として加工処理をし、再利用するという意味になり、recycle shopは再資源の店ということになります。中古販売店として意味するリサイクルショップは日本でしか通じないので注意してくださいね。
ガソリンスタンド
日本ではガソリンスタンドと呼んでいますが、これも和製英語。
アメリカ英語ではgas stationと表現します。
ガソリンは英語でgasoline。日本ではそのままガソリンと呼んでいますが、英語ではgasと略して使っています。
イギリス英語ではpetrol stationと表現しますよ。
ベビーカー
日本では赤ちゃんが生まれたら必ずと言って良いほど使うベビーカーですが、実はこれも和製英語。baby carは海外では小さい子どもが乗ってあそぶ、車型のおもちゃと勘違いされる可能性もあるので要注意!
アメリカ英語ではstroller、イギリス英語ではpushchairと表現します。
ピアス
ピアスは英語でearrings(イヤリングス)と表現します。
日本では耳に穴を開けて使うアクセサリーをピアス、穴を開けずに使うアクセサリーをイヤリングと使い分けていますが、英語ではどちらもearrings。
イヤリングとピアスを区別したいときは、クリップ式のイヤリングとしてclip-on earringsと表しましょう。
キーホルダー
キーホルダーは本来、鍵を携帯するためのアイテムですが、バッグなどにアクセサリーとしてつけて自分の目印として使ったり、コレクションしたりして楽しみ方もいろいろ。
お手頃な値段で買えて、荷物にもならないので、お土産としても人気ですが、このキーホルダーも和製英語です。
キーホルダーは英語ではkey ringやkey chain。
key holderと言う英語も存在しますが、鍵の責任者と言う意味になり、日本人が使うキーホルダーとは全く違う意味になってしまうので、注意しましょう。
マフラー
寒い冬にまくマフラーは英語ではscarf(スカーフ)。
日本だとスカーフは薄いものや長いストールなどおしゃれの一つとして使うものをイメージする人が多いと思いますが、厚くても薄くてもscarfと表現します。
英語のmuffler(マフラー)は首に巻くものではなく、車やバイクの排気口の意味として使われていますよ。
コンセント
電気を使うために壁についている穴を日本ではコンセントと呼びますが、これも和製英語。
コンセントは英語でoutletやsocketです。
電化製品などについているコンセントを指す部分は英語でplugと表します。
日本ではコンセントプラグと呼ぶこともありますが、これも和製英語なので注意が必要です。
フロント
ホテルではチェックインのためにフロントへ行きますが、受付する場所をフロントと言っても海外では通じません。
英語ではreceptionやfront deskと表現します。
ついフロントと言いそうですが、frontは前、正面という意味もあるため、ホテルの正面と勘違いされてしまいますよ。
まとめ
日本文化やポップカルチャーが海外でも注目され、sukiyaki、sushi、tempuraなどの有名な日本語だけではなく、kabukiやkawaii、otaku、animeなどの言葉も海外で普通に使われるようになりました。これは私たち日本人にとって、とても嬉しいことですよね。
また、海外では使えない和製英語も紹介しましたが、この他にも和製英語はたくさんあります。カタカナを使っている日本語は、英語として使う前に英語か日本語かを調べるようにしましょう。英単語の勉強にもなりますし、正しい英語を使えるようになりますよ。