さっそくクイズです。一人の「男性」という英単語はmanですが、この複数形は何でしょうか?同じく、一人の「女性」という単語はwomanですが、二人以上の女性を指すときは何というでしょうか?
ネコが二匹以上いるときはcatsとsを付けるので、sを単語の後ろに付けたら複数形になると思う方がいるかもしれません。しかし、いくつかの名詞は、複数形になるときに不規則な変化をします。
これを、不規則複数名詞と言います。
今回はこの不規則複数名詞についてのルールを細かくわけて解説します。クイズの正解は記事内に出てきますので、お見逃しなく!
Contents
複数形のおさらい
文法の面では、単数形の単語が複数形になる仕組みも学ぶ必要があります。英語では、普通名詞は語尾に、sやesをつけることで複数形になります。
cat―cats (ネコ)
dog―dogs (犬)
house―houses (家)
tree―trees (木)
ball―balls (ボール)
不規則複数名詞とは?
s または es を追加して複数形を形成しない名詞のことを不規則複数名詞といいます。
先ほど文頭のクイズにも出ましたが、一般的な例として、manという単語があります。
mansとすることで複数形を形成するのではなく、複数形はmen。
womanの場合はwomenになります。
それでは、詳しいルールとそれぞれどのように変化するのかをみていきましょう。
ルール①fまたはfeで終わる名詞
fで終わる単語を複数形にするには、fをvに変えて、esを加えます。
feで終わる単語は、feをveに変え、sを加えます。例をみてみましょう。
calf―calves (子牛)
hoof―hooves (フック)
knife―knives (ナイフ)
leaf―leaves (葉っぱ)
life―lives (生命)
sheaf―sheaves (束、ひと束)
wife―wives (妻、家内)
wolf―wolves (オオカミ)
例外として、以下のようなものがあります。
roof―roofs (屋根)
proof―proofs (証拠)
英語の名詞には、母音を変えて複数形を形成するものが多く、通常はooをeeに、anをenにします。
foot―feet (足)
goose―geese (がちょう)
tooth―teeth (歯)
man―men (男性)
woman―women (女性)
このルールは、ooがつくすべての単語に適用されるわけではないので、注意です。例えば、下の単語には単純にsを付けるだけで複数形を表します。
boot―boots (ブーツ)
loop―loops (輪、ループ)
hoop―hoops (フープ、輪)
冒頭のクイズの正解は menとwomenでしたね。
ルール③大幅に変化する名詞
次の単語は、全体の綴りが変わって複数形になります。
die―dice (サイコロ)
louse―lice (シラミ)
mouse―mice (ネズミ)
ox―oxen (雄牛)
child―children (こども)
ちなみに、diceの単数形は die (死ぬという動詞と同じスペル)で、本来はサイコロ1つならば roll the die というところを、ネイティブも間違って roll dice と間違って言っている人が実は多くいます。
ルール④ usで終わる名詞
科学や数学の概念で使用される多くの英単語は、ラテン語やギリシャ語に由来しています。これらの単語は通常、(特に科学や数学の文脈では) ラテン語やギリシャ語の複数形がそのまま使用されます。
usで終わる単語の複数形を作るには、usをisに変更します。usをesに変える場合もあります。インフォーマルな場面でも使用できます。
alumnus―alumni (卒業生)
bacillus―bacilli (細菌)
cactus―cacti (サボテン)
focus―foci―focuses (焦点、中心)
fungus―fungi (菌類)
hippopotamus―hippopotami―hippopotamuses (カバ)
nucleus―nuclei (核、原子核)
octopus―octopuses (タコ)
radius―radii―radiuses (半径)
stimulus―stimuli (刺激)
syllabus―syllabi (シラバス)
ルール⑤ a で終わる名詞
aで終わる名詞については、eを追加してその複数形を形成します。
alumna―alumnae (女子同窓生)
amoeba―amoebae (アメーバ)
antenna―antennae (アンテナ)
formula―formulae (方式)
larva―larvae (幼虫)
ルール⑥ is で終わる名詞
末尾がisである単語は、isをesに変えて複数形にします。
analysis―analyses (解析)
axis―axes (軸)
basis―bases (基礎)
crisis―crises (危機)
diagnosis―diagnoses (診断)
ellipsis―ellipses (省略形)
hypothesis―hypotheses (仮説)
oasis―oases (オアシス)
parenthesis―parentheses (括弧)
thesis―theses (論題)
ルール⑦onで終わる名詞
onで終わる単語は、語尾をonからaに変更します。
criterion―criteria (標準、基準)
phenomenon―phenomena (現象)
ルール⑧umで終わる名詞
umで終わる単語の複数形を作るには、umを取り除き、aに置き換えます。これらの単語の多くは、単数形よりも複数形の方が馴染みがあることが多いです。
addendum―addenda (追加、付録)
bacterium―bacteria (バクテリア)
curriculum―curricula (カリキュラム)
datum―data (データ)
erratum―errata (誤字)
medium―media (メディア)
memorandum―memoranda (メモ)
ovum―ova (卵子)
phylum―phyla (門)
stratum―strata (地層)
ルール⑨ixまたはexで終わる名詞
ix またはex で終わる単語の複数形を形成するには、正式には ixまたはexをicesに変更します。特にカジュアルな文脈では、単にesを加えてもよい場合があります。
appendix―appendices―appendixes (付加物、付属物)
codex―codices (写本)
index―indices―indexes (索引)
vortex―vortices―vortexes (渦)
ルール⑩eauで終わる名詞
語尾が eau である単語は、xまたはsを追加して複数形にすることができます。
beau―beauxまたはbeaus (オシャレな男性)
chateau―chateauxまたはchateaus (フランスの城)
tableau―tableauxまたはtableaus (絵画)
単数形も複数形も同じスペルの単語
以下の名詞は、単数形および複数形ともに同じスペルです。
aircraft―aircraft (飛行機)
cash―cash (現金)
deer―deer (鹿)
fish―fish (魚)
series―series (一連の、連続)
sheep―sheep (ひつじ)
species―species (種、種類)
これらの単語については、その単語が単数形なのか複数形なのかを、文脈から判断する必要があります。下の例文をみてください。
トムは弟のジョーと、どちらがたくさん魚を釣るかという賭けをした。ジョーは大きな魚を1匹釣ったが、トムはその優れた頭脳で大きな魚を4匹釣ることができた。
Tom made a bet with his brother Joe about who would catch the most fish. Joe caught one big fish, but Tom was able to catch four big fish using his great brain.
上記の例では、最初の単語は複数形で使用され、2番目は単数形、最後は再び複数形であることがわかります。
異なる種の魚を指す場合「fishes」が一般的に許容されることがありますが、sheep については基本的に sheeps とはならず、breeds of sheep (羊の品種) などと表現します。
まとめ
今回は、複数形になるときに不規則になる名詞を細かいルールに分けて説明しました。
これらの多くの単語は専門用語であったり、日常会話であまり使用せず馴染みのないものも多くあります。
大切なのはすべてのルールと単語を覚えようとするのではなく、一通りのルールをなんとなく理解した上で、英文を読んでみることです。その英文の中に、今回紹介した単語が出てきた時、その名詞の変化を覚えるチャンスとなります。
ルール1から3までは、日常会話によく出てくる単語や複数形ですので、こちらはぜひ覚えてみましょう。意外と知らなかった不規則複数名詞。これであなたも今日から複数形マスター!