今年こそは「英会話をマスターする」と決めて取り組んでも年末には「今年もあかんかった…」となってる人はすごく多いです。
英会話というスキルは確かに迷路のように複雑で、ジャングルのように広く感じるかもしれません。でもその突破法、攻略法は確実に存在します。その一つが「目標設定」です。
そこで今回はこれから英会話に取り組む全ての方に向けて英会話に特化した「目標設定法」についてお伝えしたいと思います。
英会話の目標の立て方とは?
英会話の目標はみなさんどうやって立ててますか?(1日目にお伝えしたロードマップを見ている方はなんとなくわかるかもしれませんが…)
目標は最初にして最大の重要ポイントです。
私が過去教えてきた生徒さんの多くは、
- 日常英会話が出来るようになりたい
- 海外ドラマを字幕なしで見たい
- 海外旅行中に困らないようにしたい
こういった目標を立てている方が多くて、私としては「すごく大きな目標だな…」と思っていました。先にお伝えすると、これはスポーツで言うならばいきなり「全国大会に出る!」「オリンピックにでる!」といった目標と近しいです。
ちなみに「海外ドラマを字幕なしで見る」は散々英語に取り組んできた私でも初見のドラマは正確に理解できないことが多いです(ジャンルや展開スピードによる)。だからそれぐらいハイレベルな目標ということ。
誤解のないようにお伝えすると「大きな目標」を立てること自体は問題ありません。これは本人の自由です。
肝心なのは、その後の「目標のステップ化」なんです。
「目標の細分化」と言ってもいいですね。
初日にお伝えした図を覚えていますか?
こういったロードマップを理解した上で、目標を細分化する。
こうやって細分化します。
日常英会話を攻略したい人は、まず「日常」はどれぐらい細分化できるのか考える必要があります。リビングでの会話や、街中での会話、レストランでの会話…とパッと思い浮かぶ中からさらに細分化します。
街中での会話は「目的地に向かう」というテーマもあれば、「お手洗いを探す」というテーマもあるし、「工具を探す」というテーマや、「地下鉄に乗る」というテーマもあります。これ全て日常ですね。
こんな具合で進めていくと、日常英会話というカテゴリの中には大量のテーマがあることがわかります。
それをまとめてステップ化しましょう!というのが初日のお話でした。ここまでは大丈夫ですか?
細分化した上でその目標をステップ化して、順番にクリアしていけばいずれは広い範囲で話せるようになるということ。これは多くの人にとって納得できる内容だと思います。
実際に使う可能性が高い部分から学ぶわけですから効率的ですよね。逆に使わない部分は学ばなくてOK。
で、問題は具体的な進め方です。
自分のコンフォートゾーンを理解しておく
英会話について、講師をしていて思ったのはモチベーションがめちゃくちゃ高い人もいれば、必要に迫られていて今すぐ!という人もいれば、今すぐじゃないけどいずれ出来ればいいという人もいるということ。
英語に対してモチベーションが高い人、低い人、それこそ色々な人がいるんです。
そんな色々な人がいる中でも一番効果を発揮するやり方が「コンフォートゾーンを理解する」という方法でした。
コンフォートゾーンとは「安心できる/自分のコントロール化にある」と感じる領域のこと。
これは個人差があるので例を出しにくいですが「家の中」を指す人もいれば、「日本全て」が対象になる人もいれば、英語が出来る人ならば「英語圏全て」という人もいます。ここは自己分析ですね。
いずれにしてもストレスフリーな状態がコンフォートゾーンです。
そしてこのコンフォートゾーンを超えていくと、順番に別のゾーンが出てきます。
- コンフォートゾーン…安心の領域
- フィアーゾーン…恐れの領域
- ラーニングゾーン…学びの領域
- グロウスゾーン…成長の領域
図解にするとこんなイメージです。
安心の領域(コンフォートゾーン)が一番小さく、成長の領域(グロウスゾーン)が一番大きいですね。
当然、安心の領域から一歩外に出るとその出た分だけストレスによる負荷がかかってきます。そしてそのストレスが大きすぎると挫折など辞める原因になっていく…という仕組み。
これを「英語を学ぶ」という世界に置き換えて考えると、多くの英語を学ぶ人にとっては「英会話をする」という時点で恐れの領域に入るのでアウトプット(話す)が少なくなりがちで座学が進むというのも頷けるのではないでしょうか?
英会話をする=怖い。
こう感じている人が多いのもよく理解できます。
こうやって自分のコンフォートゾーンを理解するのは英会話する上でも、自己成長を目指す上でもすごく大事ですよね。「あ、今ストレス感じてるな…」という自覚を持てるだけでストレスを回避できることもありますからね。
ちなみに、若い人や極端にモチベーションの高い人は「留学」という思い切った一手を取れるので、いろんなストレスを抱え込みながら、傷を負いながら、無理やり成長の領域に入るイメージです。なんとなくその状況は想像できますよね?私もそうでした笑
大前提として、このコンフォートゾーンとストレスの関係は最初に知っておいた方がいいです。
最初に知っておけば英語を続けていく中でストレスを感じたら「ストレス過多だ…でもこれは正しいステップを踏んでる証拠だ」と自己認識が出来るようになりますから。これは本当に大切なことです。
でも現実問題として、多くの日本人にとって留学という一手は取れません。
だから目標を小さく細分化して進めましょう!というのが私がおすすめしているやり方です。
英会話に取り組んだほとんどの人が挫折するのはステップが大きすぎて、その分、ゴールと現在地のイメージ乖離が大きすぎるからです。そのやり方は日本にいながらではかなりハードルが高く、よほど自分の能力に肯定的じゃないと難しいと思います。
だからジワジワと、一つ一つ、確実に。英会話におけるコンフォートゾーンを少しずつ広げていく。これが私のおすすめです。
コンフォートゾーンを広げる3つの策
英会話においてコンフォートゾーンを広げる意識を持てれば、次は「どうやって広げていくか?」です。
これには明確な3つの策があります。
1.小さなステップ(変化)を設定すること
これは私がこれまでお伝えしてきたことですね。
大切なのは「可能な限り小さなステップを刻む」ということです。極端な話ですが1単語、1フレーズでもいいです。自分が快適と感じる部分からちょっと一歩踏み出すぐらいのステップで十分です。
よく“燃え尽き症候群”という言葉を耳にしますが、大きなステップを自分に課すとその分大きなストレスを抱えることになります。大きなストレスを抱えると些細なことを重く受け止めてしまって挫折が近づきます。
なのでステップは小さく。ゴール設定をしっかり考えて動く必要あります。その積み重ねが成果につながります。
2.誰と一緒にいる時間を増やすか選ぶこと
次は「誰」と一緒にいるか?です。
当然ながらなるべく英語が扱える人や、英語ネイティブが理想です。
よく『英語を学ぶなら英語ネイティブの恋人を作るのがベストだ』と言われますが、そう言われるのは安心しながら英語に触れ続けることができるからですね。
それが難しくても英語のコミュニティに参加したり、同じ目標を持つ仲間と繋がったり、ネイティブと一緒に遊ぶということはできるはず。
誰と一緒にいるか?はスキルアップで絶対に外せません。
3.誰かのサポートを受けること
サポートを受けることのメリットは「第三者の視点」があることです。
自分では気づかない盲点だったり、新しい視点を得ることができます。また第三者がいれば約束をつくることで半分強制的に実行に移すこともできるはず。
そういう意味で英会話の先生をつけたり、オンライン英会話で指導を受けることも効果的です。
コンフォートゾーンを理解して目標設定をすること
私のやり方ではステップが小さいために一つ一つの達成感を味わえるのがメリットの一つです。
「目標を立てる」は腰が重いテーマであることは十分に理解していますが、それでも立てるべきです。英会話は迷路のようなものなので、何かしらの指針がないと迷子になったり、前に進めなくなってしまいます。
そしてその目標は、自分のコンフォートゾーンから少しだけ一歩踏み出すぐらいのステップにした方が良いということ。
その小さなステップを一つ一つこなしていくと、思い描いてた英会話は間違いなく出来るようになります。
反対に注意したいのは「目標やステップを大きくしすぎること」。
ただでさえ英会話は成長の実感を得づらい分野です。自分が上達しているのか、していないのかよくわからない時ありますよね?その疑心暗鬼は英会話の最大の敵です。
だから繰り返しですがステップは小さく。小刻みに。確実に。
これで絶対話せる範囲や、聞き取れる範囲は広がっていきます!
まとめ
長くなりましたが、英会話力UPのためには「目標設定」が欠かせません。
そしてその目標は「可能な限り小さなステップ」であることが大切です。仮に大きな目標を設定する場合は、その細分化(ステップ化)をきっちりやる必要がある!…という話でしたね。
一つ一つ確実にこなすこと。これは絶対に間違いのない英会話習得法としておすすめです。