「-」
「−」
「―」
これらの3つの横線、ハイフンかダッシュか、どれがどれかわかりますか?英文を読んでいるときや字幕で洋画を観ているときなど目にする横線、ハイフンとダッシュ。これらは英文の中でよく使われる記号ですが、実はその違いや使い方がわからない人も多かったりします。
このハイフンやダッシュには細かい使い方や規則があり、リーディングやライティング力をあげる上でぜひ知っておきたいものです。今回はハイフンとダッシュについての違いと、ハイフンの使い方を5つに分けて細かく説明します!
Contents
ハイフンとは
ハイフンとは、複数の言葉を繋げるために使われる句読点です。
小さな横線(-)のような形をしており、言葉を繋げるために使用されるほか、改行で単語を区切るためにも使用されます。
ハイフンの主な目的は、単語同士をくっつけること。
これによって、文中の2つ以上の要素がつながっていることを読者に知らせます。次の4つの例文は、ハイフンを使って複合語を作る場合の一般的な使い方を示しています。
子供たちは箱詰め機で遊んでいた。
The kids were playing with a jack-in-the-box.
そのチームには左利きの打者が2人いた。
The team had two left-handed batters.
彼女はエリザベス朝以前の時代の英文学を研究していた。
She studied English literature from the pre-Elizabethan era.
私の財布には37ドル入っている。
I have thirty-seven dollars in my wallet.
ここで、ハイフンを使うとき注意すべき点が2つあります。1つ目は、ハイフンの周りにスペースを入れてはいけないということです。2つ目に、ハイフンはダッシュと同じように使ってはいけません。それでは次に、ハイフンとダッシュの違いを見ていきましょう。
ハイフンとダッシュの違い
ダッシュには短いエンダッシュ(−)と長いエムダッシュ(―)の2種類があります。そしてハイフン(-)はそのどちらにも似ています。ハイフンは、そのどちらにもよく似ていますよね。
しかし、これらの3つの句読点は、同じように使われるわけではありません。一般的に、この3つの記号をどのように使い分けるのか、簡単に説明します。
ハイフン:単語を繋げる場合や改行に使われます。
エンダッシュ:数字や時間の範囲を示すときに使われます。
例:第一次世界大戦(1914–1918)は、歴史上最も死者の多い戦争の一つである。
The First World War (1914–1918) was one of the deadliest conflicts in history.
エムダッシュ:補足情報を区切ったり、文の切れ目を示したりするのに使われます。
例:ホウレンソウ、ケール、チャードなどの濃い葉物野菜は、健康的な食生活に欠かせない食材です。
Dark, leafy greens—such as spinach, kale, and chard—are an important part of a healthy diet.
このように、エンダッシュやエムダッシュの使い方はシンプルです。ですが、ハイフンには色々な使い方があるので、これから詳しく説明していきます。
ハイフンの使い方
使い方①繋げて形容詞を作る
まず1つ目は、複数の単語を繋げて1つの形容詞として名詞の前で使えるようにします。
一方通行
a one-way street
チョコレートピーナッツ
chocolate-covered peanuts
著名な作家
well-known author
ただし、これらの複合語が名詞の後にくる場合は、ハイフンを付けません。
そのピーナッツはチョコレートで覆われていた。
The peanuts were chocolate covered.
その作者はよく知られていた
The author was well known.
使い方②数字を繋げる
2つ目は、数字を繋げるときに使用します。
25
twenty-five
89
eighty-nine
私たちの大好きな先生は63歳だった。
Our much-loved teacher was sixty-three years old.
大きな数の例を見ると、ハイフンをどこにつけるかが分かりやすいです。
273
two hundred seventy-three
ここで気を付けたいのが、200の「two hundred」にハイフンをつけないことです。さらに大きな数字の場合はどうでしょうか。
24,535
twenty-four,five hundred [and] thirty-five.
「and」をつけるのは任意です。ハイフンのルールは、数字がどんなに大きくなっても変わりません。まとまった数の最後の2桁に対してのみ使います。カンマで区切られるような大きな数字はカンマごとにまとまった数と考えればよいのです。
使い方③単語を読みやすくする
3つ目は、ハイフンによって読みにくい単語を読みやすくすることができます。
例えば「pre-election(意味:選挙前)」 や 「re-elect(意味:再選する)」 といった単語は、ハイフンを入れる必要がないにもかかわらず、ハイフンを入れることで「前」「再」のpreやreが分離されて読みやすくなるのです。
また、同時に読者が他の単語と混同しないように、音節を正しく強調することができます。「re-collect」は、「recollect(思いだす/回想する)」や「remember(思い出す)」ではなく「to collect again(再度集める) 」という意味だと読者に伝えることができます。
使い方④語頭や語尾に決まった表現をつけるときに使う
4つ目として、ハイフンは、接頭辞(a、 un、 de、 ab、 sub、 post、 anti)と大文字の単語の間、数字や文字の間に使用します。
元夫
ex-husband
自信
self-confidence
10月中旬
mid-October
反米
anti-American
Tシャツ
T-shirt
全能
all-powerful
1980年代中頃
mid-1980s
接尾辞(y、 er、 ism、 ableなど)と大文字を繋ぐときにも使います。
モダニズム様式の絵画
Modernist-style paintings
スミス次期市長
Mayor-elect Smith
無糖ソーダ
sugar-free soda
使い方⑤単語を区切る
5つ目は、単語を区切るときです。このように単語の音節の後で区切ると、発音の練習やスペルの暗記の練習をするときにも役立ちます。
好み
pref-er-ence
販売
sell-ing
個人主義者
in-di-vid-u-al-ist
ハイフンのよくある間違った使い方
「high-flying(高空飛行)」や「up-close(間近)」のように、ハイフンを使用する複合語に副詞を使用することは可能です。
ただし、「ly」で終わる副詞が名詞を修飾する場合はハイフンを使いません。下の例文で確認しましょう。
×:それは厳重に守られた秘密だった。
It was a closely-guarded secret.
○:それは厳重に守られた秘密だった。
It was a closely guarded secret.
×:みんなすぐに近づいてくる竜巻から逃げ出した。
Everyone ran from the quickly-approaching tornado.
○:誰もがすぐに近づいてくる竜巻から逃げた。
Everyone ran from the quickly approaching tornado.
まとめ
今回はハイフンとダッシュの違いと、その使い方を紹介しました。
これらの記号の使い方を理解すれば、英文メールや英論文などライティングをするときに、とても役に立ちます。また正しい記号の使い方を知っていれば文章の読解力アップにも繋がります。
今後、これらの小さな違いに注意しながら意識して英文を読んでみましょう!