英語俳句を知っていますか?「俳句は日本の文化では?」と思われるかもしれませんね。その通りです。ただ、短い言葉で心情を表す日本の伝統文化が海外でもHAIKUとして評価され、今では外務省や大手企業、大学などが主催で英語俳句のコンテストを開催しています。
今回は、そんな英語俳句に挑戦するためのルールや作り方などを紹介します。実際の英語俳句の例文とともに作り方を学んでいきましょう!
Contents
英語俳句のルールと例
日本語の俳句では、必ず季語を入れることや5-7-5の文字数が決まっています。
しかし、海外では場所によって季節が異なること(たとえば有名なのは、日本のクリスマスは冬ですが、オーストラリアは夏ですね)、また英単語で5-7-5など数を区切ることは非常に難しいことから、英語の俳句は3行にまとめるだけでいいのです。
たとえば、俳句の起源といわれている正岡子規の次の俳句を英語にしてみます。
古池や蛙飛びこむ水の音
old pond
frog is jumping
into the water
情景をそのまま詠んだだけですが、似たような言葉を持ってくるなどして韻を踏めばさらにリズミカルになり、詠みやすくなります。
old pond
water sound
frog jumping
英語俳句の作り方
作り方に明確なルールはありませんが、さまざまなコンテストの入賞作品を見ていると、いくつかのルールが見えてきます。早速、見ていきましょう。
英語俳句の作り方①情景を思い浮かべる
まず大切なのが、人に伝えたい光景がどのようなものかを明確にすることです。ここでは、例として冬の「窓の外を眺めると、雪がしんしん降る様子」を伝えることとします。
直訳すると、以下の通りになりますね。
窓の外を眺めると、雪がしんしんと降っていた。
I looked out the window and saw snow falling quietly.
英語俳句の作り方②単語を絞る
次に先ほど訳した原文から、重要な単語を抜き出します。ここで言う重要な単語とは、それがないと情景がイメージできないものを指します。
look out window snow falling quietly
このとき注意したいのは、多くの場合、俳句の主語は「私」です。そのため、主語になる「I」はわかりきっていることとして、書きません。また、文章にする必要もありません。
英語俳句の作り方③単語を並べる
最後に、②で取り上げた単語を、あまり長くならないように羅列します。このとき、単語の音節(発音するときの単位。辞書では、・や-などで表現されています)は2~3音節で短く、似たような音の単語を並べられればよりリズミカルになり、完成度が高まります。
look out window fall down snow quietly
音節の数え方は、この例でいうとwindowの音節はwin-dowで2音節、quietlyはqui-et-lyで3音節と数えます。
英語俳句では、文法の正しさは気にせず、思ったままに単語(名詞)を並べてみましょう。冒頭を大文字にしなくてはならないとか、文の最後はピリオドを打たなくてはならないということもありません。
英語俳句に余韻を持たせる方法
ちなみに日本語の俳句では、切れ字といって「かな」「や」「けり」などを用いて一句を独立させたり、感動を示したりすることがあります。冒頭の正岡子規が使用している「古池や」の「や」も切れ字ですね。
同様に、英語俳句でもー(ダッシュ)や:(コロン)を用いて、句に余韻を残すことができます。
何度でも 掃いても溜まる 落ち葉かな
sweep and sweep fallen leaves no matter how manyー
9月頃、落ち葉が溜まる秋の光景が思い描かれる一句ですが、ーでいつまで掃き続けなければならないのかという作者の心情も表しています。
英語俳句の例と作り方|中学生レベルの英語と簡単なルールで面白い!まとめ
英語俳句は、短い言葉で心情を表現するため、中学校で習う英語だけでも充分作品を仕上げることができます。
実際、さまざまなコンテストの優秀作品を見ると、小学生や中学生の作品が多々あります。簡単な言葉だけで気持ちが伝えられる英語俳句、あなたも始めてみませんか?
実際に英語俳句の作品一覧を見たい方は、伊藤園のおーいお茶など、過去にコンテストを開催したことがある企業や団体のサイトなどでチェックしてみることをおすすめします。
年齢問わず、素敵な俳句や面白い俳句をたくさん目にすることができるでしょう。