笑えるEnglish主催「藤原紗耶」公式サイト

英語にも尊敬語はある?英語の敬称とビジネスでワンランク上の会話を目指す丁寧表現

日本語を勉強している外国人が言いました。「なぜ日本語には、一つの文章を言うのにこんなにたくさんの言い方があるんだ?」

例えば、「ちょっと図書館まで行く」と言いたいだけなのに、話し相手に合わせて「図書館に参ります」「図書館に伺います」「図書館に行きます」「図書館に行ってくる」などと丁寧さを変えて言わなければならないのか。

日本語を習っている外国人にとって敬語はとても混乱しやすいもの。

一方で、海外ドラマなどを見ていると英語にはそのような敬語がなさそうに思えますね。日本人のように深いお辞儀をするわけでもないし、会話を聞いていてもなんとなく丁寧さがなさそう。

しかし、実は英語にも尊敬を示す表現方法があるんです!今回は知っているとワンランク上の会話ができる英語の敬語、尊敬語、丁寧な表現を解説します。


英語圏での敬語表現とは?

英語圏では、敬称を用いて相手に敬意を表すのが一般的です。

例えばMr./Princess./Professor.など、名前の前につける敬称がたくさんあります。

日本語や韓国語などの言語に比べると、丁寧語、謙譲語、尊敬語などのような豊富なシステムはありません。

英語では、Mr.、Mrs.、Ms.、Captain、Coach、Professor、Reverend(聖職者に対して)、Your Honor(裁判官に対して)などの敬称がよく使われます。

略語の「Mr./Mrs./Ms.」は、アメリカ英語では通常ピリオドで終わりますが、イギリス英語では「Mr/Mrs/ Ms」のように、ピリオドがありません。

それでは、これらの敬称はどのように使うのでしょうか?

男性/男子の呼び方

既婚未婚に関わらず、男性に言及する場合は常に「Mr.」を使用します。歴史的にも今日でも、男性は結婚によって呼び方が変わることを心配する必要はありません。

若い男の子を「Master」と呼ぶ人もいますが、大人の男性には決して使いません。ですから、8歳の男の子に誕生日パーティーの招待状を出す場合、この例のように宛名を書くのは問題ありません。

「Master 【First name】【Last name】(マスター 【名前】 【苗字】 」

それ以外の場合、成人男性にはMisterまたはMr. と呼びます。肩書きとして使う場合は、必ず「Mr」(イギリス)または 「Mr.」(アメリカ)の略語を使いましょう。

女性/女子の呼び方

若い女性や未婚の女性にはMissを使います。「Mrs.」は「missus(発音:ミッシィズ)」の略語で、既婚女性を指します。

1950年代、女性が既婚か未婚かを知られないようにするためにMs.が生まれ、1970年代には知名度が上がりました。現在では、既婚未婚に関わらず Ms.と呼ぶのが一般的です。

Missを使う場合:
若い女の子をMissと呼びます。

20代の女性をMissと呼んでも問題ない場合もありますが、手紙や自己紹介で使う前に、必ず相手の役職を確認するようにしましょう。

Ms.を使うべき場合:
現代の女性は結婚しているかどうかで区別する必要がないためMiss やMrsよりもMs.と呼ぶ方が無難です。

Mrs.を使うべき場合:
既婚女性に使われるだけでなく、未亡人や離婚した女性の中にも Mrs.と呼ぶ人がいます。

Mrs.を使っている人に配偶者がいると決めつけるのではなく、Mrs.と呼ばれることを望んでいるのかもしれません。特に年配の未亡人の女性にとってはMs.と呼ばれると気分を害するかもしれません。

それでは次に、実際に会話やメールのやり取りで使える尊敬語と丁寧語の言い回しを紹介します。

ビジネスの場で使える敬語/丁寧な表現

お願い/相談するときの丁寧な表現

何かをお願いするとき一番に思い浮かぶのは「please」(プリーズ)だと思います。これはとても役に立つ単語ですが、この単語だけを言ったところで丁寧になるかといえばそうでもありません。むしろ、言い方次第では失礼に聞こえてしまう場合もあります。

例えば「あなたの携帯番号を教えてください」と言いたい場合、「Please give me your number.」と言ってしまうと、なんだかとてもそっけなく未熟に聞こえてしまい、相手も「oh, ok…(あ、はい…)」と躊躇してしまいます。

相手にお願いや相談するときは「Would you~」や「Could you~」「I am wondering if〜」「May I~」などの表現を用います。

ちょっと塩をとってもらえませんか?
Would you pass me some salt?

窓を開けてもらえませんか?
Would you open the window?

明日の5時に電話をいただけませんか?
Could you give me a call tomorrow at 5?

もう一度おっしゃっていただけますか?
Could you say that again?

もう少しゆっくり話していただけませんか?
Could you please speak more slowly?

明日ディナーを一緒にいかがですか?
I am wondering if you would like to get some dinner tomorrow.
(この表現はよく男性が女性をデートに誘うときに使われます)

お電話番号をいただけますでしょうか?
May I please have your number?

お名前を伺ってもよろしいでしょうか?
May I have your name?

失礼してよろしいでしょうか?
May I please be excused?

なお、「Would you~」や「Could you~」の文章にpleaseを付けると更に丁寧さが増し、相手も気持ちよくお願いを引き受けてくれる場合が多いです。

pleaseは文章の一番最後に付けるか、Would you pleaseと、youのあとにつけることもできます。

断るとき/要望に答えられないときの丁寧な表現

なにかを断るとき、相手の意に添えないときなど、「誠に申し訳ありませんが…」というようなニュアンスで伝えられると、相手も気持ちよく理解してくれますよね。

このような言葉のクッションはお互いのコミュニケーションをスムーズにするためにもとても大切になってきます。

誠に申し訳ありませんが、ご要望にお答えすることができません。
I am terribly sorry, but I am not able to respond to your request.

申し訳ございませんが、予約時間の変更はできません。
I am afraid that we can’t change your reservation time.

ご不便をおかけして申し訳ございません。
We are sorry for the inconvenience.

残念なことに、時間切れとなりました。
Unfortunately, we ran out of time.

お礼/謝罪するときの丁寧な表現

相手に感謝の気持ちを伝えたいとき多くの人は「Thank you」と言いますが、ビジネスの場など尊敬する場面では主に「appreciate(発音:アプリ―シエイト)」や「grateful(発音:グレィトフォー)」を使います。

心より感謝しております。
I really appreciate it.

この機会にとても感謝しています。
I am really grateful for this opportunity.

あなたのご理解に感謝しています。
Thank you very much for your understanding.

ディナーにご招待いただきありがとうございます。
Thank you very much for inviting us for dinner.

敬語表現集

これまでに紹介した表現以外にも、ビジネスの場でよく使われる表現の一部を紹介します。

わかりますか?
Does that make sense?
(相手が理解できたかを確認するときに「Do you understand?」と言ってしまうと少し上から目線に聞こえるときがあります。ビジネスの場では「make sense(理解する)」を使うことが多いです。

はい、わかります。
Yes, that makes sense.

申し訳ありません。
My apologies.

素晴らしい!
It is wonderful!(ワンダフォー)/amazing!(アメィジング)/terrific!(テリフィック)/fantastic!(ファンタスティック)

敬語/丁寧語でよく使う単語一覧表

丁寧さや尊敬を示したいときには、カジュアルな単語をフォーマルにするとワンランク上の表現になるのでぜひ合わせて覚えてみてください。

カジュアルな単語 フォーマルな単語 意味
ask inquiry(インクワイアリ) 質問/問い合わせ
answer respond 応答する、返答する
tell inform 通知する
but however しかしながら
can is capable of することが可能
get obtain/receive 手に入れる/取得する
happy pleased 喜んで/満足して
help assist 手伝う/援助する
house residence 住宅
job occupation 職種
need require 必要とする/要求する
ok/alright acceptable 受託できる/容認できる
say express 表現する
start begin はじめる
try attempt 試みる
want desire/would like 欲求する/希望する/要望する

まとめ

今回は英語の敬語、敬称、尊敬/丁寧表現について紹介しました。ビジネスの場だけではなく、知らない相手との会話で丁寧な表現を心がけていると、相手にも「おっ。この人は英語を知っているな。話していて気持ちがいいな。」と思ってもらえます。

英語の丁寧な表現のコツは「Could you」「 Would you」「 May I」などの 表現を使うことでした。これらの表現をマスターして色々な場面で使ってみましょう!

英語の敬語表現については、動画でも詳しく説明しています。こちらもあわせて観ていただくと、もっと理解が深まりますよ!